リナリーに言われた言葉が頭に残る。
弐拾伍
好きってわからない。
ただ、神田といるのが当たり前で自然になっていた。
兄さんに似ているから好き・・・?
違う・・・と思う。
兄さんに似ているから私は神田が大嫌いだった。
ムカツクし・・・。
本当わからないよ。
コン、コンッ・・・
ドアをたたく音。
「どうぞ。」
カチャ・・・
「鍵くらいかけろ。」
「神田・・・。」
よく見たら治っていないいくつもの傷。
また任務だったんだ・・・。
「また任務?」
「あぁ。、医療班は?」
「この前倒れたばっかりだから当分休み。」
責任を感じている顔。
別に、私が好きでやったんだからいいのに。
「テメェが医療班にいねぇから心配した。」
「私はその怪我で私に会いに来たあなたの体が心配よ。」
手をかざせば柔らかい光。
自分が出しているなんて信じられない。
「ほっとけば治る。」
「もう治したもん。」
可愛くないんだよなあ、神田って。
確かに兄さんに凄く似てる。
けど・・・だけど・・・
それだけで好きになったわけじゃないのかもしれない。
でもよくわからない。
全然わからない。
「ねぇ、神田は好きがわかる?」
いきなり聞かれて戸惑っているようにも見えた。
「知らねぇ。」
「誰ならわかるかな。」
「自分でしかわかんねぇよ。」
なんだそりゃ。
「神田は好きな人、いる?」
沈黙。
私、触れちゃいけないこと聞いちゃったかな・・・。
「いる。」
胸がキュウって苦しくなった。
誰?って聞けなかった。
聞きたくなかった。
コンコンッ・・・
「あ、はい!って、リーバーさん・・・。」
「神田知らないか?コムイ室長が報告がないって。」
「か、神田ね・・・お呼びですよ。」
「ちっ・・・・」
不機嫌・・・。
リーバーさんが何度も謝っている。
何で謝る必要があるんだろう。
二人の後姿を見ていたら背後に人影。
「ラビ・・・」
「今、ちょっといいさ?」
「うん・・・。」
ラビの表情が凄く真剣だった。
NEXT
反省。
駄目じゃん神田。
いるって言っちゃ駄目じゃん。
恋する乙女は情緒不安定なんだよ!!!(ォィ
ま、ラビががんばるさ。(また!?
瀬陰暗鬼