ずっと気になっていたことがある。










弐拾肆










「久しぶりね。」

「そうね、私、科学班にずっと居たから。」

「私はずっと療養だったわ。」





と久々に遊んでいる。
って言ってもはまだ療養中だから教団の外には出れないのだけれど。





「そういえば、最近は神田とよく一緒にいるのね。」

「うん。」

「付き合ってるの?」

「え・・・ち、ちがっ・・・・」

「でも、何かいつもと感じが違うと思うんだけど。」

「そ、そうかな・・・。」

「好きでしょ?」





真っ赤になった
本当、可愛いと思う。
自覚おめでとう。
すごくってわかりやすい。





「う、うん。」

「これから、時間ある?」

「今日は何も予定ないよ。」

「聞きたいことがあるの。いい?」





いいよ。と微笑するは凄く綺麗で憧れる。










*









「で、何?」





最近神田といるせいか、神田に似てきてない?





「お兄さんのこと、話して欲しいなあって。」

「リナリーもコムイに聞いているのね。」





きっと神田が言ったんだろう。
彼は隠すの下手だから。





「どこまで知っているの?」

「ほんの少し。AKUMAに殺されたことと、任務に言ってなかった理由だけ。」

「リナリーには話さなくちゃかな。まあ、隠す理由もないし。」





そういったは泣きそうだった。









*








「兄さんね、神田に似ているのよ。すごく。性格は少しわがままで、自分勝手。でも、優しくて・・・。」





そういうは穏やかな目をしていた。





「私、母さんも父さんも小さいころに失ってね。それで既に教団にエクソシストとして兄さんは行っていたんだけど、私のためにわざわざ教団を出て傍に居てくれた。」





兄ってみんなそうなのかな・・・って思う。
コムイ兄さんも私のために室長になってくれた。
ずっと一緒にいられるようにしてくれた。





「私、あんまり両親のこと好きじゃなかったからそのことは別にいいんだけどね・・・。
紅龍とを狙うたくさんのAKUMAを破壊して、それでも兄さんはいつも傍に居てくれて。すごく、幸せだったわ。」





教団に来ればよかったのに・・・。
そしたら、教団はのことを保護したはずよ。
でも・・・お兄さんは妹を戦場に行かせたくなかったのね・・・。





「でも、ある日。血をこぼしたような空の色。燃え盛る村。大量のAKUMA。」





情景を想像しただけで吐き気がする。





「レベル2だけだと思ったわ。でも、一匹だけレベル3がいた。そいつは狙いを私に定めた。そして私を庇った兄さんにAKUMAが放った矢が刺さったのよ。」





辛そうな顔。
それが私だったら・・・なんて考えたくもない。





「そのあとイノセンスが暴走したわ。大量にいたAKUMAは一気に壊れた。あとは知っているとおりよ。」





お兄さんは亡くなり、イノセンスを壊そうとしたは、呪いを受けた。
はお兄さんが誰よりも好きだった。

そう・・・誰よりも・・・。





「ねぇ、。お兄さんと神田って似ているのよね?」

「うん。似てるよ。凄く、似てる。」

「神田のこと好き?」

「好きだと思う・・・けど・・・?」

「ねぇ、。神田をお兄さんと重ねてない?重ねての好きは好きじゃないんじゃないかな。それは、違うと思うわ。」





の表情が曇った気がした。





「リナリー・・・わかんないよ・・・わかんない。」





困らせたかったわけじゃない。

でも、にはちゃんと好きになって欲しかったの。





「一人で考えさせて。ごめんね。」

「ううん。それじゃあね。」

「うん。」





はきっと、神田を好きって決断を出すと思う。
ただ、私はちゃんと神田だから好きって気付いて欲しいの。


気付くのに時間はかかると思うけど、見守っていたいなあって思います。



NEXT

反省。

リナリーのバカー!!
わざわざ、余計なことをしやがってよぉ。(お前だ、やったのはお前。
こっから、ラビが頑張ってくれるでしょう。
動かしやすいこは大好きだ。
ふふん♪
今は見守ってましょうか。

瀬陰暗鬼