なんでこの二人鈍いんさ・・・。
弐拾参
がぶっ倒れてから三日。
未だに目を覚まさない。
ユウなんか24時間付きっきり。
ってか、あのときの・・・おかしかったさ。
―な・・・んでっ・・・嫌だ!嫌!!やめて・・・どこにも行かないで!!神田ぁっ!!
、ユウのこと好きなんかな・・・?
でも、好きじゃなきゃあんなことはしねぇもんなあ。
いくら助けるためって言っても、ちゅーはなあ。
生ちゅーを目の前で見た俺の立場は!?って感じさ。
一緒に行ったのが俺でよかったなあ。
「ラビっ!!は!?」
「は大丈夫ですか!?」
リナリーとアレンが今、任務から帰ってきた。
「医療班のとこさ。一回目を覚ましたっきりだって。」
アレンにはユウが一緒のことを言わない方がいいな。
「大丈夫よね・・・。」
リナリーってば心配性すぎ。
「大丈夫さ。は強いよ?」
みんなは大丈夫って信じてる。
だから、は大丈夫さ。
*
「で、なんで神田がいるんですか?」
病室で喧嘩すんなよー。
「ユウはずっと居るんさ。一番責任を感っ!」
ユウが殴ったさ!!
「・・・」
痛々しい点滴。
任務前に食べた味噌汁以外何もとっていない食事。
「ちゃんには少々無理させちゃったね。」
「兄さん!!」
コムイもしょっちゅうここに来る。
「神田君、心配なのはわかるけど、寝なきゃ駄目だよ。」
「うるせぇ。」
「兄さん、なんでに無茶をさせたの!?ここでたくさん傷を癒して疲れている状態で戦場に出すなんて・・・。」
そうだったんですか・・・とアレンが驚いている。
「ちゃんとラビしか本部のエクソシストで動ける人がいなかったし、ちゃんには医療班と兼用で行ってもらったんだよ。」
リナリー・・・コムイのことを攻めちゃ駄目さ。
コムイだって辛そうな顔してんじゃん。
「ん・・・・」
「!?」
「ん・・・んっ・・・リナリー・・・?」
「っ!!よかった・・・よかった・・・。」
目、覚ましたさ・・・。
よかった・・・。
「何?何で皆しているのよ。リナリー、泣かないでよ。」
状況を全く理解してないみたいだ。
「ちゃんは三日間ずっと眠ってたんだよ。」
きょとんとして驚いている。
お騒がせなお姫様さ。
「心配したのよ!任務中、気が気じゃなくて!!」
「リナリー・・・ごめん。大丈夫だよ。心配かけてごめんね。」
「もう、無茶しないでよね!!」
なんか、いいとこみんなリナリーに取られた気分。
「が無事でよかったです。生きてて良かった・・・。」
「う、うん。」
生きてて良かったって言葉に戸惑っているように見えた。
「さて、アレン君、リナリー。一度ヘブくんの所に行こうね?」
「あ、はい。」
「、またあとでね。」
「うん。」
ユウの視線が痛い。
早くどこかに行けって言ってる・・・。
「、守れなくてゴメンな。」
「何言ってんのよ。あんたが守らなくちゃいけないのは私じゃなくて世界でしょ。」
「・・・。」
微笑むに惚れそうになった。
って、ユウまじでこっえー・・・・。
「あ、俺パンダんとこ行って来るさ!二人ともごゆっくり!!!!」
ユウったら、相当ありゃあ、はまってるね!
とりあえず、ここは覗くしかないっしょ!!
「神田・・・?」
「何でぶっ倒れるようなことすんだよ!!」
ユウが怒鳴った!?
「じゃあ、何で私のこと助けたのよ!?ほっておけばいいじゃない。」
喧嘩になっちゃった・・・。
「目の前で死なれたら迷惑だ!!!」
「私だって目の前で死なれたら胸糞悪いわよ!!!」
二人とも呼吸ピッタシ・・・。
ユウ、せっかくのチャンスさ!
こ・く・は・く・しろー!!!!
「てめぇが傷付くのが嫌なんだよ!!」
「私だってあんたがいなくなるのは嫌よ!!!!」
あっれー・・・?
それって告白じゃねぇの?
「仕方がねぇから守ってやるよ。」
「・・・何が仕方ないよ。でも、前科があるし・・・大人しく守られますよ。あんまり、任務には行かないけどね。」
って、二人ともなんで鈍感なんだよ!!!!!
気付けー!!!!
「神田・・・お願い。お願いだから、いなくならないで。もう、失うのはごめんよ・・・。」
「誰が死ぬかよ。」
いい雰囲気さ。
ただ・・・なんでこんなに鈍いのーんっ!!!!
「ラビ、二人はどうだい?」
「コムイ・・・二人とも鈍すぎて直球じゃないと駄目。伝わんないさ。」
「ちゃんの鈍さを治すか、神田君が直球告白をするかだね。」
「絶対両思いなのにー・・・・じれったーい!!!!コムイ、パスしていい?」
「遠慮しておくよ。」
どうやったらくっつくかなー・・・。
俺、すっげー大変な気がするんだけど。
ねぇ、逃げていいー?
NEXT
反省。
後半告白でしょ、これ。
守ってやるとか、傷付くのが嫌だとかさー・・・・。
普通だったら気付くでしょ?
気付かないもんかねー・・・。
書いたのは僕だけどさ・・・
あまりにも鈍くしすぎました。(ちーん。
瀬陰暗鬼