もう二度と失いたくない。










弐拾










「回復できた?」

「まあまあかな。」





冷たい空気。
たくさんのAKUMAの残骸。





「ユウを探さなくちゃな。」

「うん・・・。」

「大丈夫さ。」





嫌な予感がする。





―イノセンス発動。





?」

「近くにAKUMAがいる気がする。血の臭いが強くなってるの。」





たくさんのAKUMAの残骸の中に白い服の人の死体。
助けられなかったファインダーの人達。





「ユウ!!」

「神田ッ!!」





AKUMAの数が多い。


あの時と同じくらい。





「Five!!」





発射。



でも、一発で破壊は難しかった。





「てめぇ、何で・・・」

「ユウの援護さ。」

「何でまで・・・」

「手当てさ。ただ・・・間に合わないっぽいけど。」





を使いながら死体の数と生存者数の確認。
生存者はなんとしてでも助ける。





、どうさ!?」

「生存者、エクソシスト神田ユウのみ。ファインダー15人の死亡確認。」





ゴーレムを先に本部に。
こうなってしまった以上AKUMAの破壊のみが任務となる。





、大丈夫さ?」

「だい、じょうぶ・・・」





AKUMAの数が無駄に多い。
そして、足場が悪い。





!!」





何で私っていつも狙われるのかな・・・。
そんなに弱そうに見える?
でも、これでもあれから鍛えたんだからね。



目の前にいたレベル2は弾丸で壊した。


なんとか、なったかな・・・?





、レベル3さ!!」





レ、レベル3?



あの時以来だよ・・・。


レベル3は矢を放とうとしている。

そう・・・あの時と一緒。


脳裏に浮かんだのはあの時、兄さんを失ったときの光景。



気付いたらAKUMAの放った矢は神田の背から心臓を衝くように刺さっていた。

兄さんも・・・兄さんのときも背に矢が刺さって・・・心臓に到達していて・・・。
体がどんどん冷たく・・・・

嫌・・・。





「兄さん・・・兄さん!!兄さんっ!!!嫌!嫌ぁ!!嫌ぁあああっ!!!」





遠くでラビの心配する声とAKUMAが破壊された音が聞こえた。


NEXT

反省。

何度神田は死に掛けるんでしょうか。(お前のせいだ、お前の。
主人公の兄貴はこんな感じで死にましたの図を神田君に再現してもらっただけなんですが・・・。
結構調子乗りました。
淡々と死体の数を数える主人公ちゃんしか、個人的に浮かんできませんけど・・・まあ、いいとしましょう。(どこがだ!
神田、いつか死ぬかな・・・・。(ォィ
ってか、主人公ちゃんの反則技がなかったらとっくに死んでるよね。

瀬陰暗鬼