ここでの生活は苦じゃないよ。
拾伍
「で、私もやるの?」
「一人だとつまらないじゃない。今日は談話室で皆でご飯食べようね。」
リナリーが任務から戻ってきて次の日、いきなりキッチンに私を誘った。
目的は皆の夕食を作るためらしい。
「皆って誰?」
「ラビと、アレン君と、神田と、コムイ兄さん。ラビが神田を連れて絶対行くって言ってたわ。」
「コムイはリナリーがいるとこならどこでも出てきそうよね。」
リナリーは苦笑い。
「皆の好きなものを作ろうと思うの。」
「好きなもって・・・アレンもラビも何でも食べるじゃない。」
「うん、そうだけど・・・少しでも、好きなもの・・・・」
可愛いなあ・・・。
「とりあえず、神田は天ぷらね。蕎麦は・・・めんどくさい。」
「作れるの?」
「作ろうと思えばね。さて、天ぷら、天ぷら。」
「何揚げる?」
「海老、イカ、椎茸、舞茸、大葉、南瓜、カキアゲ、薩摩芋だね。」
「は天ぷら好き?」
「ぎとぎとしていなければ。」
自分で作った奴はギトギトさせないから食べれる。
「アレンくんはみたらし団子が好きなんだよ。」
みたらし・・・・って、甘いよね・・・。
私、甘いの好きじゃないんだよなあ・・・。
「?」
「何?」
「みたらし団子嫌い?」
「甘いもの好きじゃないの。」
「と神田、本当に似てるわね。」
「え、そう?」
似てますか?
似てないと思うけど・・・・。
ちょっと、ショック。
「リナリーは料理できるの?」
「うん。兄さんの好きなものなら。」
リナリーとコムイってすごく仲いいよね。
「適当に作れるものを作りましょうよ。」
「パーティーみたいにしたいね。」
あ、パーティーみたいにしたいんだ・・・。
「色とりどりね。」
「うん!!!」
途中からジェリーさんが手伝ってくれたりして、とりあえず完成。
「喜んでくれるといいね。」
「そうだね。」
*
「これ、本当に二人で作ったんですか!?」
「うっまそ♪」
「何で俺まで・・・」
「いやあ、仕事の合間だから長いできないけど二人のおいしい料理のために来たよ。」
本当に皆来た。
「食べましょ。和食は全部、が作ったのよ。」
リナリーの危ない料理よりはどの料理も上手くできたと思います。
「海老天があるさ!!海老ー!!!!」
「、リナリー、とってもおいしいです。
とりあえず、大成功?
「あー!!ユウ、酷いさ!!俺の海老!イカ!!」
「うるせぇ。」
「神田!和食ばっかり食べないでくださいよ!!」
久々にちらし寿司を作ったし、食べようかな・・・。
「私のよりものがおいしいわね。」
「私、毎日作ってたから。料理をしている回数の違いじゃない?」
アレンがものすごい勢いで食べてる。
「モヤシ!人のモンまで食うな!!」
「ユウが海老とったさー!!!!」
「けちけちしないでください!!」
「あー!それぼくのぉ!!!!!」
4人とも・・・落ち着いて食え。
「チョコレートケーキもあるよ。お酒は入れてないからね。」
やっぱり作ったものからして、リナリーは女の子だなあ。
「ユウとは食わねぇの?」
「食べない。」
「食わねぇ。」
まあ、神田は甘いものは絶対無理そうよね。
「神田、お茶いる?あったかいのと冷たいの、どっち?」
「あっついやつ。」
「はいはいっと。」
きゅうすが近くてよかった。
「どーぞ。」
お茶も似合うなあ・・・。
さすが、日本人。
「おいしかった?天ぷら。」
ラビと喧嘩をしながら食べていたのを覚えている。
「あぁ。」
ありゃ、素直。
「他のは?」
「食った。」
*
別に褒め言葉とかは期待してないけどさ。
「おい。」
「何?」
「ずっと気になってたことがある。」
神田が気にするようなことはしていないけど。
「何でいつも泣いてんだ?お前。」
飲みかけの麦茶の入ったコップを落とした。
コップはカチャーンと音を立てて割れた。
「似てるのよ。兄さんにあなたが似てる。だから、ペースが乱されるの・・・
お願い、乱さないで・・・。」
お願い乱さないで・・・
これ以上掻き回さないで。
NEXT
反省。
なんで、神田は泣かせるのの天才なんでしょうね。
神田さんのバカー!!
ってことにしておきましょう。
主人公ちゃんが作ったのばかり食べている神田が可愛いと思う。
瀬陰暗鬼