辛かったのは嘘じゃない。


でも今、笑っていられるなら忘れたいと思ってしまう。










拾参










「ただいま、門番さん。」





なんとなくみんなにただいまって言いたかった。





「コムイさんのところに行きますか?」

「報告書って誰が書く?」

「神田でいいと思います。」

「今回はとモヤシだろ。」

「二人なの!?」

「ああ・・・は初任務だから絶対ですね。」

「私、英語の文章苦手・・・。」

「あ、僕教えましょうか?」

「アレン、日本語わかるの?」

「わかりません・・・(しゅん)ごめんなさい、役に立てなくて・・・」

「辞書片手に頑張るよ。」





神田、教えてくれないかなあ・・・。

まあ、期待はしていないけど。





「アレン、イノセンスはどうするの?」

「ヘブラスカのところに持っていくんです。」

「一緒に行っていい?見てみたい。」

「いいですよ♪」





んー・・・今日は汽車の中で寝てきたから眠れないな・・・。

報告書を頑張って書こう。





ガタン!!





大きな音がした。





「何?」

「嫌な予感がするんですけど・・・」

「ちっ・・・めんどくせ・・・」

「今回はリナリーが任務中ですからね。キツイかもしれません。」

「何なの!?心当たりがあるの!?」


「「コムリン(だ)(です)!!」」






コムリン・・・?

誰かさんを思い出される名前。





「よぉ、アレン、神田、。」





目の前に現れたのはボロボロなリーバーさん。





「大丈夫ですか!?コムリンですか!?」

「あぁ、コムリンだ・・・」

「またかよ・・・」





何度も出現してるんだ、コムリン。





「あ・・・今回のもエクソシストの改造を狙ってるから。」





改造・・・?

やられるのは嫌だ・・・。





「なんとかして壊してくれ。」





すごく切実感が感じられる。





「あ、そうだ。おかえり。」

「ただいま、リーバーさん。」

「ただいま。」





ただいまも言わないんだね、神田は。





ガチャーン!!





「コムリン・・・」

「でか・・・」

「めんどくせぇ。」





コムリンって・・・やっぱ、コムイっぽい。(帽子とか。)



って、こっちに向かってくる!?





、逃げてください!!コムリンが、を標的にしました!!」




え、嘘!?

とりあえず、逃げるしかないの!?


でも、私、教団内のことよく知らないし・・・





「オイ、こっち来い。」

「神田!?」

「さっさと来い!!改造されてぇのかよ。」

「さ、されたくない。」





でも、神田の方が足、速いんだから追いつけませんよ!!





「ま、待って、神田ッ!!」





既に息切れが・・・





「・・・少しは鍛えろ。」





今まで戦うとか知らなかったんだから仕方ないじゃない。





「報告書が仕上がったら修練場にでも篭って鍛えますよ!!」





憎まれ口をたたけても、体はいっぱいいっぱいなんです。


そんなことを思っていたら急に強い力に引っ張られた。





「神田・・・なんか、助けられてばかりだね・・・」

「うるせぇ。とっとと走れ。」





心の中でありがとうと言っておいた。

声に出すのは何かむかつくから。








*








「とりあえず、あそこにコムイがいるからそっちに行ってろ。邪魔だ。」

「う、うん。とりあえず、コムイのことは殴っておくわ。」





コムリンが来ないうちにコムイたちのところに行こう。

アレン、大丈夫かな・・・。





ちゃーん!大丈夫かーい!!」





お前のせいだ、お前の。





「コムイ、あれどうやったら止るの?」

「え、止んない♪(えへ☆)」





えへ☆じゃないよね!?






『壊せ!!!』






科学班の人たち、息ぴったり。





「アレン、神田!ブッ壊せ!!」





ってか、コムリン強いなあ・・・。

技術と時間の無駄遣いだと思うけど。





「行くよ、。」





ここから撃てばあのメカくらいなら撃ち抜けるし。





―イノセンス、発動・・・





「あー!!ちゃん!駄目だよ!!コムリンを撃っちゃ駄目だよーッ!!!」





コムイが暴れだした。

まずい。





「コムイ、動かないで!揺れるでしょ!!コムイ!!!」





狙いが定まらないだけじゃなく、落ちる可能性が・・・。

なんて、考えてたら暴れるコムイにぶつかり、バランスを崩してしまった。





「きゃあああああっ!!!」





落ちた。



これ、床につくときは痛いよね。





!!」





アレンの声が聞こえるけど・・・どこに居るかわかんないよ。

もうどうにでもなれ!!



そう思った矢先、体が一瞬中に浮いた気がした。










目を開けたら神田がドアップで視界にいた。



これって、俗に言うお姫様抱っこですよね!?

汽車に乗るとき、アレンにされたやつ・・・。





「神田・・・あの・・・ありがと・・・」





本当、助けられてばかりだ。



それにしても何か、恥ずかしい。





「この状態じゃ六幻を持てねぇから担ぐぞ。」





担ぐ!?

ちょっと待って・・・私、スカート!!





「待って、神田!!お願いします、待ってください!!担がないでください!私、スカートなんです!!」





確かにこの体制は恥ずかしいけど、下着を曝すのは勘弁。



ちょっと、科学班の皆様。

私と神田の会話を聞いて残念がらないでください。





「なら、その銃でぶち抜け。」

「は、はい。って、これでも命中率は、いいんだから!!」





、お願いね。





「壊れろ!!」





発射音の後に弾が綺麗に脳天を突き抜け、コムリンは動きを止めた。



プレス♪と嬉々とした科学班の人たちが印象的だった。





そういえば私、カンダに抱かれたままだった!!





「神田、本当にありがとう!とりあえず、下ろしてください!!!」





あとでコムイを懲らしめてやる。

で、みんなでコーヒーでも飲もう。





もし、笑っていられるならと思うのは弱いからですか。



NEXT

反省。

念願の神田のお姫様抱っこ、書けましたー!!!(念願!?
この二人・・・なんでこんなに進展しないんだ?
もう、10話はとっくにすぎているのに・・・気配からない。(うやーん。
なんでじゃああああああああああ。(わーん。
へたれ神田がいくら好きだからって・・・まだ何もしてないじゃないか!!
と、ここで言ってみるが、長寿物になる気がしてならない・・・。

瀬陰暗鬼