呪いを受け止められるほど、私は強くなかった。
拾壱
「ん・・・」
目の前には真っ白の天井。
どこだ、ここ。
「あ、。起きられたんですね。」
アレンが目の前に現れた。
「アレン・・・迷惑かけてゴメン。」
「全然平気ですよ。」
やっぱ、アレンは紳士だと思う。
英国人ってみんな紳士なのかな・・・。
そういえば、イノセンスと神田は・・・
「アレン、イノセンスは?」
とりあえず、任務優先。
「僕が回収しました。ほら♪」
アレンの手にはきらきら光る結晶体。
これがイノセンス・・・
初めて対AKUMA武器に加工されていないイノセンスを見た。
綺麗・・・。
「綺麗ですよね、イノセンス。」
「うん。」
の妖艶な輝きとは違った、澄んだ明るい輝き。
この輝きに心を奪われもう一つのことを忘れていた。
「アレン、神田は?」
アレンはにっこり笑って大丈夫ですと応えた。
「今、検査されてます。傷は消えてるのに血が足りなかったから、不思議がられました。」
私、うまくやれていたんだ・・・。
よかった・・・。
「が治したんですよね?何をしたんですか?」
これはもう、言い逃れはできないと感じた。
「呪いなの。あんなに便利な力なのに、呪いなのよ。」
アレンは呪いには見えないと笑顔で言った。
「僕の目、左眼も呪いなんです。」
だからペンタクルが顔にあるんだ・・・。
「僕、この眼のおかげで人間とAKUMAを見分けることができるんですよ。だからあの時、あの神田さえも僕に聞いたんです。」
アレンは呪いの話をしてくれた。
アレンは私よりも辛かったかもしれない。
親に捨てられ、拾い育ててくれた人を失い、大切な人であったはずのその人をAKUMAにして、そして己の手で殺めてしまったのだから。
「エクソシストになってよかったと思う?」
私はAKUMAの中に人間の魂がダークマターと共にあると思っている。
人の魂があるのなら、人造人間と一緒なのでないか。
そう考えると引き金を引くのを躊躇ってしまう。
魂が見えるならなおさらでないのか。
「AKUMAに内蔵された魂はみんな泣いているんです。壊さなくちゃなんですよ。」
AKUMAは悲しすぎるからと哀しそうな眼で言うアレンは年下に見えなかった。
「次はの呪いのことを教えてください。」
私の呪いの内容を話には過去を話さなくてはならない。
過去を思い出して平然といる自信はない。
「細かいことは省いていいかな?」
「はい。」
きっと、教団に戻ったら話さなくちゃいけないんだろうけど。
「イノセンスを壊そうとしたの。それで神に呪われて、あの力を得たの。
でもね、今まで怖くて使えなかったわ。だから、使ったのは今回が初めてだった。」
ごめんね、アレン。
今、兄さんや、イノセンスを壊そうとした理由を話すことはできない。
「、疲れているなら横になってください。神田の検査の結果が出るまではここにいますから。」
アレンとこのまま話すよりも、寝た方が楽だ。
全てを話してしまいそうになる。
教団に帰ったら嫌でも全てを話さなくてはいけない。
私はあの時、全てを覚悟したんだ。
逃げることは、許されない。
だから、今だけはいい夢を見させて。
NEXT
反省。
アレン夢じゃありませんよー!!
とりあえず、叫んでおきます。
アレン夢チックになってるのはきっと気のせいです。
ってか、アレンしか出てないんでね、仕方ないですよね。
糖度は低めなんでただの繋ぎとも取れないことはない。
次回はきっと、夢っぽく・・・なってくれていればいいなあ・・・・。と思います。
瀬陰暗鬼