「火影」vs「麗(幻)」





「ステージ修理遅いねぇ。」

「柳、ステージじゃなくてリング。」

「あ、そっかあ。」





戦いに来たが、戦えない状態だった。

てか、ほとんど壊したの烈火じゃん。





「あせるんじゃないよォ!」





あ、音遠だ!!





、嬉しそうだな。」

「うん♪音遠は優しいよ?」

「烈火たちともめているが?」

「え!?ウソォッ!!やだ!止めなきゃッ!!」





喧嘩はよくないんだよ!!!





「音遠!」

「あら、元気そうね。昨日、体調よくなかったの?紅麗様が心配なさってたわ。」

「あー・・・うん。今日は平気!心配した?」

「そりゃね。」

「大丈夫だよ。」

「そう。それじゃあね。」

「うん。」





美人だなあ・・・いいなあ。





!探検行かない?」

「うーん・・・最近疲れやすいからパス。」

「しかたないかー・・・じゃあ、行ってくんねー♪」

「うん。行ってらっしゃーい。」





眠いなあ・・・なんか夢を見ている間は寝ていないみたい。










*








リングの修復作業が終わった。
試合が始まる。





「風ちゃんは・・・?」

「おい!風子はまだか!?」

「みりゃわかるだろ。ルーズな女だ。」





ルーズにもほどがある。
どこに居るの・・・?
心配になってきたよ。





「獅獣・・・・・・」





そういわれて出てきたのは、人間の姿をした獣のなりかけのようなもの。

あれは・・・人間じゃない・・・。





「何あれ・・・。」

「ひっ・・・」





柳もおびえている。
烈火も土門も人間に見えないらしい。





「凍季也・・・アレは何?」

「そういえばおまえたちは昨日のこのチームの戦いを見てなかったな。
 こいつは、相手チーム五人を一人でかみ殺した。
 その後・・・奴は食事を始めた。メニューは人肉五人分・・・・・・」





人を食べた!?
そんな・・・やっぱ人間じゃない。

審判は失神・・・当然だ。


もし、それがここで繰り広げられたら・・・柳は耐えられない。
なんて、考えたくもないけど・・・。
三人じゃ危険すぎる。

特に土門や凍季也は接近戦タイプだ。
一番、獅獣を倒しやすい風ちゃんが今、いない。


ねぇ、風ちゃん・・・どこにいるの・・・?





「ルールでは試合前ならチームのメンバー変更が認められます!
 試合中ではダメですが・・・するなら今のうちに、急いでください!」





メンバー変更・・・こうなったら・・・





「私が出ようか?」

「駄目だ!!」





凍季也に止められた。





「でも、三人じゃきついし・・・」

「最初の約束事があっただろう?が試合に出る場合、僕らは出場資格を失う。つまり、負けだ。」





そういえば、そういう約束があったんだった!
紅麗のアホッ!!





「じゃあ、黒蝶と白蛇にメンバーになってもらおうよ。それなら問題ないでしょ?」





二匹とも自我があるんだし、問題ないよ。
きっと・・・ないはずだ。うん。





「紅麗がそれを許可すると思うか?」





思わないです。

二人が出るのと私が出るのは一緒とか言われそう。
だって・・・負けたくないじゃない。

でも、私は出られない・・・
こういうの嫌だ。


土門も会場の人に聞いたがブーイングの嵐。





「上等だ!!三人でケッコウ!一人で1.3人分!きばれよ!!」

「あとの0.1は?」

「それは・・・何とかなる!!」





4より大きくならなきゃ駄目なのになあ。





「どいつもこいつもしりごみしちゃった根性ないなァ!やれやれ・・・」





ゴングがなる寸前、懐かしい声とともに鋼金暗器が降ってきた。





「火影が負けるって事は柳姉ちゃんと姉ちゃんが危ないって事だろ?まかしちゃおけないよね!」





元気だったんだ。
よかった・・・。





「力貸してやってもいいよ。小金井薫、ケンザ〜ンv」





柳もなんか嬉しそうだ。
あ、仲良くなったんだっけ・・・?





とことこ





「イェーイ。はぅどぅゆうどゅ?オレが来たから安心してよっ!火影は優勝!!」

「なんでじゃい!!」





アックスボンバーと正拳って・・・
薫ちゃん、虐めないでよ!!





「いてーなあ、なにすんだよォ!」

「(ぐあっ)なにが力貸してやるだ、バッキャロウ!
 てめえ・・・っ、姫とに何したか・・・忘れたとは言わさねえぞ!!」





あれ・・・?
私、薫ちゃんには何もされてないんだけどなあ。
ってか、基本あそこでは何もされてない・・・。





「兄ちゃん、人の好意は受けとくもんだよ。つめてーなァ・・・」

「へーんだプップーっ!!誰がおまえの好意なんかくらうか!!なめんな。敵の助けなんざいらねぇよ。」

「クソして寝とれ!」





二人とも酷い・・・。
薫ちゃん・・・。





「烈火くんひどいっ!薫くんは私を助けてくれたいい人だよっ!」





柳のこと助けてたんだ。
知らなかったなあ。





姉ちゃん、ちょっと来て。」





薫ちゃん?





「こっちをむけ兄ちゃん’S!!」





べんっ





えっと・・・状況は、私の手を握って傍に来させ、柳にひっついてる・・・みたいな?





「カンちがいすんな!オレは柳ちゃんと姉ちゃんのために戦う!
 あんたたちのためじゃないっ!オレ、柳ちゃんと姉ちゃん大好きだもん!」

「(うわーっ)」





私も薫ちゃん好きだなあ。





「なっにィいい!?」

「何度でも言ってやるよォ!大好き大好き大好き大・・・・・・」

「わ、わ、わ、わかった!!」

「仲間になってもいい?」

「わかったからそのうらやま・・・イヤ、汚い手を離せ!!!」





薫ちゃんのほうが一枚上手だったようね。
烈火、馬鹿丸出し。





「じゃあ、柳ちゃんからは離れるよぉ。」





むきゅ。





今度は私にひっついてきた。
可愛いなあ。
こんな、弟欲しい。





「久しぶり!姉ちゃんっ♪」

「薫ちゃん、元気そうで良かった。」

「えっへへー♪」





本当はアレからどうしていたのか効きたいけど・・・聞かないでって言われているようで聞けなかった。





「小金井!からも離れて戦闘準備しろ!!」

「応援しているよ、薫ちゃん。」

「うん!!」





やっぱ、年下って可愛いなあ。
小学生までいくと苦手だけど。





「ヤァ水鏡の兄ちゃん!久しぶりだねぇ・・・そうゆうことなんでよろしゅう!」





凍季也と薫ちゃんって知り合いだったんだ。





「おまえの強さは戦った僕がよく知ってる。戦力的に考えれば別にかまわん。
 僕も似たような理由でここにいるわけだしな・・・ただし・・・さっきのは許さん!」





ゴン!





「???」

「大丈夫?何言ったの?」

「わ、わかんにゃい。」





まったくもー・・・薫ちゃんのこといじめちゃだめにきまってるでしょっ!





「あははははははは!!小金井じゃないの、どうしてあなたそっちにいくの?」





音遠・・・?
薫ちゃん・・・何があったの?

確かに、薫ちゃんが烈火と一緒にいるのはおかしいけど・・・。





「紅麗様はどう思うかしらね、この裏切り者!やっぱり逃げた時、殺しておくべきだったわねぇ・・・・・・」





薫ちゃん・・・音遠・・・。





「音遠、薫ちゃんを虐めないで・・・。」

・・・」

「薫ちゃんは優しい子だよ。一途で優しい子。紅麗を裏切ったりはしないよ!
 きっと考えがあるんだよ。だから火影に入った。殺すなんていわないでよ。
 みんな大切で・・・私は誰も失いたくないよ。
 それに、薫ちゃんの今が裏切りであるなら私だって、紅麗を裏切ってる。
 紅麗を知っていて、なおかつ、ここにいるから。」

「ごめんね、。」





音遠・・・

どうしてたたかわなくちゃいけないのかな。
理由はたくさんあるけど・・・人は、心のどこかで争いを秘めている。

それが恐ろしい。


誰も死なないで、いなくならないで。
みんな大切で、みんな必要なの。

そのためなら私は、ずっと戦うよ。

戦えないときは傍にいるから。



これから二回戦が始まる・・・。










NEXT










後書。

薫ちゃんとうじょー!!!!
はい。
音遠は可愛い人だと思います。
本当に。
そして、みーちゃんのヤキモチははずせない!って思いながら楽しく書いていました。
次回は獅獣戦です。
獅獣は可哀想な人だと思います。

瀬陰暗鬼