「それでは二回戦第一試合を開始します!!
 麗(幻)チーム先鋒、獅獣!!!火影チーム先鋒、小金井!!始め!!!」





始まった。
戦いが、始まってしまった。





「オレの知らない麗のメンバーだ。また造ったね?幻獣郎・・・でも、負けないよ。」





造った!?
あいつの何かを知っているの?薫ちゃん。

鋼金暗器って、それにしても凄いなあ・・・。





「すっごい薫くん!!こんなに強いコだったの!?」

「(むぅ)」

「烈火・・・」

「ガンコ者。信じてやってもいいんじゃないか?」

「・・・ふんっ。」





烈火の頑固者。

ん?
薫ちゃんの傍に音遠がいる・・・。

こうもりの話・・・裏切り・・・?





「ね・・・んっ、烈火?」





音遠にやめてって言おうと思ったら烈火に止められた。





「うるせえんだよそこの醜女!!!」





ブス・・・?
音遠は美人さんだよ!?

ってか、女の人にそういうこと言っちゃダメーッ!!





「バッキューン!!」





薫ちゃん、すごい!!





「獅獣ダウン!!」

「勝ったな!」

「楽観すんな腐乱犬!相手は紅麗の手下の『麗』だ!
 この程度で終わるわけねぇっ!小金井のツラがそれを証明してらあ。」





手下・・・なんて言い方、よくないよ。





「子供とはいえ、小金井は元“麗”の人間・・・その姿のままでは不利じゃろうのォ獅獣・・・・・・!」





そう言って幻獣郎が獅獣の頭に指を貫通させた。


その瞬間、獅獣が雄叫びをあげた。





「姫、見るな・・・」

「あの老人・・・何をやった!?」





柳が震えている。

獅獣は、人でも獣でもない・・・。
こんなの・・・おかしいよ。





「合成獣だよ!」





心霊医術、キメラ。

酷い・・・。



心霊医術は人を助けるものじゃないのかな・・・。





「人は、人間は玩具じゃない!!人を人だと思わないなんて・・・最低だよ。」

「神をも恐れぬ行為ね・・・」





本当、最低。

こんな奴が生きていて、どうして他のたくさんの人が死んでしまうの・・・?


理不尽だ。





「神なんぞ存在せぬよ・・・殺れ獅獣!!」





速い・・・。
凄く速い。

これは、人間のスピードじゃないよ。


薫ちゃんっ・・・





「小金井!!もういいっひっこめ!!」





烈火・・・駄目だよ。

薫ちゃんがこのチームに入ったのにはちゃんとしたわけがあると思うんだ。
私や柳のためだけじゃない。

きっと、他に何かがあると思うんだ。





「あの時の優しい紅麗もいたはずなんだ!!すべてが偽りなのか確かめなきゃいけない!!
 オレはもう一度だけ紅麗に会う!たとえ死ぬことになろうとも、殺すことになろうとも!」





薫ちゃんの戦いの目的・・・紅麗とどんな別れをしたの?





「薫くん・・・別人みたい・・・怖い・・・ううん、悲しそう・・・」

「止めるか?」

「・・・やめとく。」





薫ちゃんは勝つ。
絶対勝つ。





「鋼金暗器弐之型『龍』!!」





速い!!
何で、こんな風に速く組み立てられるのかな・・・。





『普通のより数倍速いな。』

―そうなの!?

『アレの速さは才能だ。』

―才能か・・・薫ちゃんは勝つよね?

『あんなのに負けるくらいならいないほうがましだな。』

―白蛇、酷い。





鋼金暗器は・・・私にはきっと使えないなあ。





『変型所要時間は0.6秒ってとこか。』





0.6秒!?すごい・・・。





「標的は紅麗だ!おまえなんか邪魔だよ。」





勝った!!





「勝者小金井!!」





薫ちゃん、御苦労様。

紅麗のことはやっぱ、聞かないでおくことにする。


知らなくていいことなんかたくさんあるさ。





「小金井薫っオマエは・・・エライ!!」

「ホントホントッたいしたもんだ。」

「ちっちゃくても、大きい!(ちぱちぱち)」





全く、みんな試合前と違いすぎでしょ。





「トーゼンじゃい。兄ちゃん達たぁちがうもんねっ。イーだ。」





ピキーン・・・ドクゴス





「調子にのんじゃねえ!!」

「うあーんゴメンよォ!!」





あ・・・薫ちゃん虐めちゃ駄目なのに・・・。





「あわわ・・・」





まあ、喧嘩はおいといて、





「陽炎さん。」

・・・」

「薫ちゃんは裏切りませんよ。絶対。」

「そうだといいけど。」

「子供を大人が信じないでどうするんですか?」

「そうね・・・。」





半信半疑ってとこか。

駄目だなあ・・・。


全員の信頼が強さを産むと私は思う。

きっと・・・いつか、皆が薫ちゃんを信じれるよね。



私は信じてるよ。

ううん。



信じたい。











NEXT











後書。

薫ちゃんは薫ちゃんで通します。
はい。
通させて頂きます。(うへへ。
かわいーもん。
さて、次回はかっこいい凍季也が見えますよ。

瀬陰暗鬼