『よぉ、紅麗。』

「白蛇・・・何の用だ。」

のことでな。聞きたくないなら話さない。』





いきなり来てそれか。と言いたいが、今コイツの機嫌を損ねると絶対話さないだろう。

「話せ。には聞かせられない話なんだろ?」

『勘がいいな。おまえにとってもあまりいい話ではない。』





それでも伝えに来たのは、そのことが私が知りたがってること、あるいは、知っておかなければならないことだということ。





『本当に話してもいいな?』

「何度も言わせるな。話せ。」





ため息をついて、白蛇はドカッと音を立ててベッドに横になった。





の記憶についてだ。大分思い出してきている。』





よい話ではない。コイツはそう言った。
しかし、記憶が戻っているならば悪いことではないはずだ。





「で、何がよくない知らせだ?」

『記憶についてなんだけどな・・・麗奈のことも結構思い出してんだよ。火影のことも・・・
 なのにおまえのことを一つも思いださねぇんだよ。おかしいだろ?』





思い出さない・・・?





「どういうことだ?」

『あまりにも不思議だったから調べた。』

「で?」

『おまえのこと、思い出さないんじゃねぇんだ。本人は凄く思い出したがってる。』





またため息をついた。
何が・・・?





の奴はを思って一番思い出すと辛いとされる記憶を強く封じた。』

「それが私のことというわけか?」

『理解力があって助かる。
 おまえのこと・・・いや、好きな奴が死んでいて、でも、好きな気持ちを思い出してしまったとき、はどうすればいい?
 幸せになれると思うか?思えねぇだろ?』





問われて答えることができない。


様がなさったことは、間違ってはいない。





「私のことは強く封じられていて、思い出しにくい、もしかしたら思い出さないかもしれないと?」

『その通りだ。思い出したいと思っているには酷だろ?』

「絶対に話すな。」

『当然だ。』





何故、こいつはわざわざ私に伝えに来たのか・・・。





「おまえは私が嫌いだったな。」

『大嫌いさ。俺の姫だからな、は。』





白蛇は強い。
だからこそ、憎いが安心できる。





「私はが奴らの傍にいることを望むなら傍にいられない。頼む。」

『おまえ、ほんっとむかつくな、畜生。」





白蛇・・・。





『おまえに言われるまでもねぇ。当然だ。』





おまえも十分むかつく奴だ。





「白蛇、に無理をしないよう伝えてほしい。」

『やーだね。見張っててやるよ。無理しねぇようにな。』





白蛇・・・本当にむかつくやつめ。





『紅麗、死ぬな、負けんな。火影の頭首は烈火じゃねぇ。お前だ。』





そう言って窓から出て行った。


死ぬな、負けるな・・・か。

そして・・・私が火影の頭首か。



本当に、むかつく奴だ。










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後書。

いやー、白蛇好きなんですよ。
めっちゃ好きなんですよ。
だって、かっこいいんだもん。
えっと、次は二回戦はいりまーす。

瀬陰暗鬼