
辰子さんにキスされてデレデレしている烈火と嫉妬している柳。
只今、皆でホテルに戻るとこです。
「あーん、風子ちゃん服ボロボロ!」
「オレの貸そっか?」
「土門は汗臭いからヤダ!」
「私の貸すよ?」
「っていっつも可愛いの着てるよね!!」
「ん?半分以上知り合いのデザイナーさん達に貰ったものなの。」
「へー。デザイナーさんか。」
「あげるよ?」
「私も欲しい!」
「じゃあ、今度家にね。」
「うん!!」
「やった♪」
「ってかいいじゃねーかそのカッコ・・・で・・・」
目の前に現れたのは皆が敵視しているあの人。
私は敵視なんてしてないよ?
「く・・・」
「紅麗・・・」
凍季也が私の前に来た。
紅麗から私を隠すように。
「久しぶりだなアニキ!来てやったぜ!!」
『アニキ』という言葉が頭に響く。
頭が痛い。
「兄・・・だと?汚らわしい。分際というものをわきまえよ。」
喧嘩にならないといいけど。
「イヤミで言ったんだよ!バカヤローッ!」
「落ち着いて烈火!!」
馬鹿だ・・・。
お前が馬鹿だ。
紅麗は柳のことを話し始めた。
私の頭は痛くて割れそうだ。
早く思い出したい。
全て、思い出したいの。
「私なら五人まとめて1秒で灰にできるよ。」
紅麗が近づいてくる。頭痛のこと、ばれた・・・?
「・・・何故、貢物になった?」
話の方向性が・・・まあ、ばれてないなら・・・。
「柳は友達だから。独りぼっちにしておきたくなかったんだもん。」
嘘はつかないよ。
「森光蘭には渡さない。火影は負ける。は私の元に。」
「私、紅麗にも、音遠にも、雷覇くんにも、磁生さんにも負けて欲しくない。
でも、火影の皆にも負けて欲しくないの。だから負けるなんて言わないで。」
めちゃくちゃ言ってるけど、それでもみんな大切で失いたくなくて・・・
わがままなのかなあ・・・・?
「すまなかった。」
紅麗は優しい。
凄く優しい。
そして、懐かしいんだ。
「頭痛がするなら早めに休め。眠れば治るから。」
「う・・・ん・・・大丈夫。」
仮面の奥で軽く微笑んで、皆には毒を吐いていった。
『、しっかり休めよ。』
―白蛇?
『少し、紅麗と話がしたい。』
―いってらっしゃい。
とは、言ったものの、白蛇さん、黒蝶が凄く怒ってますけど。
「!!」
「どーしたの?風ちゃん・・・。」
「具合、いつから悪かったの!?」
「烈火が紅麗を兄貴って言ったあたりからかなあ・・・。」
風ちゃんと凍季也が落ち込んだのがわかった。
「ごめんね!紅麗が気付いて、私達が気付けなくて!!」
風ちゃんにぎゅーっとされた。
「凍季也?」
頭を撫でられていきなりでちょっとびっくり。
でも・・・ここにも優しさがいっぱいだ。
私は目を閉じた。
―大好きだよ・・・だから、泣かないで。
そう、夢の中で言っていた男の子を私は・・・よく知っているはずなのに・・・
何で思い出せないの?
私が思い出した記憶は、お母さんから教わった戦い方。
誰か、何かを守るための戦い方。
そして、火影の里のこと。
―強くなったね。
優しく言ったのは麗奈様。
―お、どんどんに似てきたなー♪
明るく言うのは桜火様。
―ちゃん、これ、様に。
そういい、結局は私のためになるものをくださる陽炎さん。
―。
優しく私の名前を呼ぶお母さん。
私は火影の里で幸せだった・・・。
NEXT
後書。
紅麗のばっきゃろー!!(ぇ
連れ去っちゃえばいいのにぃ(ぶー。
次回は白蛇と紅麗のラブラブシーンです。(笑)
瀬陰暗鬼