39.vs空 副将
最澄さん対烈火。
あの人は、式紙使いだそうだ。
さっき、折鶴を見せてくれた。
生きているみたいで綺麗だった。
それに、あの人・・・いい人そうだし。
って、なんか、さっき最澄さんが能力を見せたからって烈火も見せるらしい。
別に見せなくてもいいのに・・・
凍季也も、私と同意見みたいね。
「出ろ『崩』!!」
『ほう、崩か・・・懐かしいな。あの娘。」
白蛇は崩のこと知っているんだ・・・。
懐かしいって言ってるもんね!
ってか、娘って・・・?
あ!観客席の後方!!!
あれは・・・
「音遠!!」
手を振ったら振りかえしてくれた。
音遠もいい人なんだよね。
それに、美人だし。
「?」
「音遠はいい人だよ?」
優しいし、一生懸命で一途な人。
何か話しているけれど、聞こえないや。
*
烈火と最澄さんの戦いが始まった。
接近戦は烈火に分がある。
空海さんは15分でけりをつけるようにと言っていた。
最澄さんに何かあるのか・・・?
最澄さんは短歌を詠み始めた。
そして長い紙が動き出す。
「紙演舞!!」
確かに舞っているようだ。
いや、それよりも紙を意のままに操る力。
崩も全部避けちゃってる。
「烈火!!」
紙が烈火に巻きついた。
このままじゃ、窒息死に到る。
柳の目には涙。
「烈火くんっ!!」
・・・終わりじゃない。
烈火の右手が印を書く。
「竜之炎壱式『砕羽』!!いざ尋常に勝負!!」
砕羽か・・・。
あれなら戦える。
『ほう。砕羽も懐かしい。』
白蛇、いい加減に体内に戻ってくれないかなあ・・・。
観戦したい気持ちはわからなくないけどさ・・・。
それより、火竜を二匹もだしたってことは、彼、最澄さんは強いってこと。
「凍季也、勝てると思う?」
「勝ってもらわなきゃ、困る。」
凍季也が言うと安心できるんだなあ、これが。
*
「最澄さん・・・もうやめたほうがいい。」
「?」
「あの人、何かおかしいと思って注意深く体内を探ってたんだ。あの人、病気なの。だから15分・・・。」
「それでも、お互い負けられないんだ。」
「風ちゃん・・・辛すぎるね、辛すぎるよ。そんな、ぎりぎりの戦いは辛すぎる。」
押しているはずの最澄さんの息が上がっている。
でも、烈火は弱点を見切られている。
五分五分の状態か・・・
ペタ・・・
最澄さんがひざまづいた。
既に15分が経過している。
「烈火の勝ちになるのかな・・・?」
「いや・・・まだだ。」
まだ・・・!?
『折鶴か・・・芸人みたいだな。』
のんきな事は言ってられない。
凍季也もあせっている。
千羽鶴を使って烈火を撃つ。
そんなことをしたら最澄さんの気力は・・・
最澄さん、あなたは何故、そこまでするんですか?
「駄目だ、もう遅い。」
『いや、まだ、遅くねぇ。』
「白蛇・・・?何が見えているの?」
『多分、綺麗なものが見られる。』
綺麗なもの・・・?
「出てくる時間だぜ、崩!!」
崩!?
いつの間に・・・
『さっき、奴が出した崩は地の中で生きていた。ただそれを奴は飛ばしただけだ。
予想外のものなら避けきれない。』
もう、わかっていたなら教えなさいよ!!
「僕の・・・負けです・・・」
「勝者、花菱烈火!!」
火影の勝ち。
よかった。
「凍季也、一回戦、無事に終わってよかったね。」
「いや、終わらんらしい。」
「え?」
烈火が空海さんと戦う気になっている!?
「無駄に怪我したいの!?」
それ以前に森が許可をするのか・・・?
『主催者としてこの試合認めよう!!』
いい性格してるよ・・・大方、火影を早く潰したいだけなんだろうけど。
さて、この戦い。
無事に終わらない・・・そんな気がしてならないよ。
烈火のバカ!!!
NEXT
後書。
烈火は馬鹿ですよ。
原作読んでて思ったもん。
ばーかばーか。
ってか、書いててつまんなかった・・・。(ォィ
はやく、紅麗が出したいです。
次回予告です。
次回は空海戦です。
瀬陰暗鬼