これは現実だったの?
26.母
きっと、ここは火影の里だ。
しかし・・・炎につつまれている。
『、もう火影は助からん。まで潰す事は無かろう?』
黒蝶だ。
あの黒髪の美人は黒蝶だ。
じゃあ、黒蝶と一緒にいる私によく似た人は・・・
『、そなたは何を考えているのじゃ?私には全くわからぬ。でも、が・・・がいなくなるのは嫌じゃ!!』
って・・・誰・・・?
「黒蝶、お願いがあります。時空流離を使って、を安全な世に流して欲しいのです。」
時空流離・・・
「母様・・・どうしたの・・・?外、騒がしい。」
あれは・・・私・・・?
それに、母様って・・・さんのこと?
「、いらっしゃい。」
「何?」
「ごめんね・・・。」
「え?」
「たくさん、たくさん辛い思いをさせてゴメンね。あなたのこと、それでも、愛してたわ。幸せになってね。封!」
封!?
封ってことは封印?
このときに私の記憶は・・・。
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景色が変わった・・・。
別の記憶・・・?
「生まれた!女子じゃ!!」
「様の遺伝をしかとついでおられます。おそらく、白蛇も・・・。」
「そう。」
「名はどうなさいますの?」
「がいい。なんとなく今、そう思った。」
「良い名じゃ。」
私の誕生?
「様、麗奈様がお見えです。」
「入れ、麗奈。」
「様、おめでとうございます。」
「麗奈、紅麗にを見せてやってはくれまいか?」
「はい。」
紅麗・・・。
「紅麗、そなたの姫じゃ。守りなさい。」
小さく頷いた紅麗。
それより、そなたの姫って・・・。
「様・・・」
「後は当人しだいじゃ。私は反対とか考えていないぞ?」
当人しだいって・・・もしかして許婚とか!?
「私は嫌だったから桜火との婚約はしなかったが、火影の頭首と二代に一人は婚約する、の掟じゃ。
だがな、私はそんなの無視していいと思う。大きくなってからが楽しみだな。」
掟か・・・あの、紅麗の優しさに、そんな決められたからなんてものを感じなかった。
それに、紅麗は頭首なの?
烈火と異母兄弟ってことは烈火にも頭首の資格はあるんじゃないのかな・・・。
でもよくわかんない・・・。
しかし、私は烈火が頭首だとしても、烈火を選ぶとは思えなかった。
_______
また、風景が変わった。
別の記憶か・・・。
「?何しているの?」
「母様!鳥さんが怪我しててね、助けようとしたら光がぱあぁってなって、鳥さんの怪我が治ったの!!」
治癒の力だ。
「そう・・・その力について、教えるわ。いらっしゃい。」
「?はい。」
治癒の力の秘密がわかるんだ。
「昔ね、まだ桜火も陽炎も、麗奈も、私も若かったころね、戦があったの。沢木という国と高杉という国が合戦し、私達は沢木に就いた。
沢木のお姫様に桜姫というお姫様がいて、治癒の力を持ってたのよ。でもね、桜姫は亡くなったわ。戦死ではなく、自害よ。そのとき、桜姫は私に治癒の力を授けた。
でも、私は陰の気が強すぎた。だから、私には治癒の力は使えなかった。が生まれたとき、治癒の力は私ではなくあなたに移ったのよ。喜ばしいことだわ。
でも、魔導具にはこれから触れないように。壊れてしまうからね。いい?」
そんな、裏話がこの力にあったなんて・・・。
「はい、母様。・・・あの・・・私、この力でいろんな人を助けてもいい?」
「もちろんよ。」
「私ね、強くなりたい!」
「えぇ、教えましょう。力の使い方を。」
教わったはずなんだ・・・母様に。
教わった内容を一つずつ思い出す。
そして、それを取得するためにした修行をもう一度一からやろう。
こうやって、夢で見ていると、他ももっと知りたいと思う。
こんなにも、過去が知りたいと思ったのははじめてだ・・・。
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「ん・・・・。」
目覚めたとき、見知らず・・・でもない部屋だった。
「ここ・・・凍季也の家・・・?」
コツン・・・
「ひゃっ!」
首筋に冷たい水の入ったコップ。
「二日間、よく眠っていたな。」
「二日も寝てたんだ・・・まだ、寝たりないくらい。」
力の使いすぎか、頭がぽーっとする。
「ただでさえ、痩せ過ぎなんだから食わないと死ぬぞ。」
「失礼ね!それより・・・ありがとう・・・。」
不意に抱きしめられた。
でも・・・私は凍季也のことではなく、紅麗のことを考えていた。
NEXT
後書。
さてさて、いろいろと明らかにしてみました。
まあ、こんなもんですね。
まだ、過去にはどうしても明かさなくちゃいけないものが一つあるんですよ。
それを明かさないと、主人公ちゃんの強さが見えてこない。
まあ、地道に一つずつ明かしていこうと思ってましたが、こんな感じで。(汗
次回予告、しますよ。
次回はですね・・・陽炎の屋敷に行きます。
以上。(ぇ
瀬陰暗鬼