25.八俣の竜
「(もしかして、紅麗を倒すチャンス!?)」
烈火がまだやる気だ。
影法師が何か助言をしている。
何をする気だ・・・?
・・・・え!?
手甲をはずした!?
『危険だ!、ここから離れろ!!』
―白蛇?
『手甲は取ってはならぬもの。あれで力を封じているのだ。あれを取れば爆発する。』
―じゃあ、烈火自身も危ないじゃない!!
『仕方がない。それだけ、弱いということだ。桜火はあれをしかと操っていたぞ。
―桜火?あ、夢に出てきた人!!
『あの二人の父親だ。』
―ねぇ、凍季也達は?
『影法師が守っているから平気だろう。』
誰も死んで欲しくない。
だから守りたい。
そう思う気持ちが強いのに、烈火の腕から出てきた八俣の竜を見て、すごく怖くなった。
『!!』
『早く水を出しなさい!!』
―白蛇?黒蝶?
「!逃げろ!!」
烈火の声・・・?
気づいたときには八俣の竜の一匹が私を討とうとしているところだった。
でも・・・恐怖で何もできない。
怖い・・・。
目を閉じた。
・・・・?
熱くない・・・?
!?
「紅麗!?」
私を庇うように、紅麗が竜の攻撃を受けていた。
「やだ・・・何で助けたの・・・?」
「怪我はないな・・・だから離れろといったのだが・・・。」
「ご・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・ごめん・・・ごめんね、紅麗。でも、ありがとう。」
治癒の力を最大限に使って、怪我を。
私のせい。
だって、私が居なければ絶対くらうことなかったもの。
「ごめん・・・すぐ、治すから・・・。」
仮面をしててもすごく優しい眼をしてることがわかる。
抱きしめられた腕がすごく温かい。
「離れていろ。」
「っ・・・はい。」
これ以上、私のせいで怪我させるわけにはいかないから。
烈火はまだやる気だ。
腕をかけて紅麗を打つ。
先ほど、私を庇ってくらった一発よりも強く、重い。
―紅麗・・・。
*
「翔べ!!!」
裂神が紅麗に向かった。
紅さんが破られ、紅麗を討つ。
見ていられなかった。
―白蛇、あなたの力ならあの炎、消せるよね。
『当然だ。なめるなよ?』
―力を貸して。恩返しがしたい。
『御意。』
白蛇自身を使うのは初めてだ。
成功するかわからない。
でも・・・
集中して意識を高める。
「白い・・・蛇・・・?」
烈火の声。
ちゃんと、成功したみたいだね。
「白蛇様・・・・。」
『影法師か。その格好も似合うな。烈火には悪いが俺は主、に従う。が呼んだのが俺でよかったな。黒蝶ならば、烈火の命はなかったかもしれないな。』
「白蛇、何故炎を消した!!」
『久しいな、紅麗。の命だからだ。さっきの礼だと。』
「助太刀無用。邪魔をするな。」
『しねぇよ。つまんねぇことはしねぇ。ただ、今のはの命だ。』
紅麗と白蛇が普通に話している。
まあ、過去に会った事がある知り合いだし、当然か。
黒蝶とも普通に話してたものね。
「白蛇、一つ頼みがある。」
『何だ?用件によっちゃ聞いてやらんこともない。』
「を守れ。」
『言われなくとも。今回の件で俺が出てこうやって自由にできるほどの力がついてきたことがわかったからな。』
「そうか・・・まだ戦える!」
仮面が取れた。
やっぱ・・・綺麗な顔だ・・・。
でも、あの火傷・・・やっぱ、痛々しい。
音遠は、あれは契りだった言っていた。
でも・・・
―あなたがさんね。紅麗の思い人・・・。あなたのことを話すときの彼はとても幸せそうだったのよ?また会えてよかったわね。早く、思い出してあげてね。
って、紅さんは言っていた。
でも・・・紅さんのこと、紅麗は好きだったんじゃないのかなあ・・・
だって、好きでもない人をあんな身近におかないよ。
だけど、よくわからない。
よくわからないけど・・・
抱きしめられたと昨日での暖かさは正直はなれたくないと思った。
「紅麗様。」
あ、音遠・・・
「申し訳ございません!紅麗様!!」
「よい、下がれ、音遠。」
「は・・・。」
なんか、悪いことした気分。
ごめんなさい、音遠。
「お迎えに、参りました・・・」
大所帯だなあ・・・。
「帰れ雷覇!殺されたいか!?」
「なりませぬ。お父上・・・・・・森光蘭様よりのご命令です。様のことも、こちらは一旦引きましょう。奪われてはもともこうもありません。」
森光蘭・・・。
黒幕だ。
「命びろいしたな烈火、今回はここで引いてやる!だが、邪魔が入らなかったならば!貴様は死んでいた事を忘れるな!!
また会おう!!その時こそ貴様の肉は塵と化す!!その日まで・・・女は返しておいてやろう・・・・・・それが今日の貴様への褒美だ。」
紅麗・・・。
「待って、何が何だかわからない。ちゃんと説明してよ!!」
「・・・。」
紅麗にまた、抱きしめられた。
そして、耳元で囁く様に「また会おう、。愛している。」と。
その後、紅麗は行ってしまった。
本当、何が何だかわからない。
でも、それでも・・・
今、私の顔はすごく赤いんだろう。
「っ・・・!」
「!?凍季也!!ちょっと!すごい怪我!!」
「はどこも怪我していないな。」
「うん。平気だよ。何もない。」
―紅麗が・・・守ってくれたから・・・
そう言おうと思ったけれど、やめた。
禁句なきがしたから。
「柳さんも無事みたいだな。」
「あの二人、恋人みたいだね。」
「全くだ。」
「ふふ。怪我、治った?」
「完全に。」
「よかった。」
他の人も治さなくちゃ。
このとき、烈火と裂神の会話が聞こえた。
「あいつ、自分の腕を犠牲にしたのか?」
「うん。」
「あの竜、斬れると思うか?」
「んー・・・思わない。」
結局裂神は烈火のもとに戻った。
「ーっ!!!!」
「わっ!風ちゃん!!大丈夫?」
「っ!!なんもされてない?されてない?」
「うん。何もされてない。」
―紅麗は私に何もしないよ?
と、伝えたかったけど、これも多分禁句だと思ってやめた。
「ってか、この兄ちゃん誰だ?」
「「「兄ちゃん?」」」
「の知り合いか?」
白蛇のことよね。
どう説明しよう・・・。
『俺は白蛇だ。』
「白蛇!?さっきの白い大蛇のことか!?」
「うん。人型だよ。白蛇は私の水の源。烈火の八竜と一緒。」
「綺麗な人だね。」
「・・・うん。」
性格はあまるよくないことは伏せておこう。
『烈火、貴様は弱い。今のままではにも勝てん。水鏡凍季也の方が強いな。』
「何ィ!!」
「白蛇は強いよ。ただ、私の力不足で上手く扱えないけど。」
黒蝶が烈火嫌いと騒いでる。
「ってか、ここ崩壊寸前。帰ろうよ。」
あ・・・白蛇が消える。
やっぱり、体力不足だ。
「・・・?」
「凍季也、疲れちゃった。ごめん・・・お世話になります。」
「安心して、眠れ。」
「ありがとう・・・・。」
このあと無事脱出。
私は二日眠っていた。
その間、夢を見た。
記憶の夢。
NEXT
後書。
紅麗の館編終了です。
これが終わると陽炎さんの話ですね。
そこはあっさり行きそうだけど、それが終わったあとの長い長い、大会編がきついかな。
うーん・・・。
ってか、紅麗あまーい。(ォィ
でもさ、主人公ちゃんを庇っちゃう紅麗が好き。(お前がかよ。
さて、毎回恒例、次回予告。
次回は素敵なオカン登場です。
過去です。
瀬陰暗鬼