19.森川願子
私が、形代零蘭の正体だってわかって、三人とも怒ると思ったんだ。
でもね、怒らなかったの。
ウニ頭はからかうけど・・・でも、優しい。
烈火もうざいけど・・・でも、あったかい。
風子は大好き。
いっぱい、いっぱい傷つけてごめんなさい。
ちゃんとこの中、案内するよ。
役に立てるように頑張るね。
私がこう思ったのは数十分前・・・
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「あのチビっ子が・・・・・・本体?」
「一体・・・あっ動く」
私はすごくびくびくしてた。
「これは力の無いこの娘の作戦!人形を人間に見せ、自分は人形のふり。そりゃいくら攻撃しても人形だもん、こたえないよね!だまされちゃったよ。」
「ど、どーしてわかったの?私の演技カンペキだったのにーっ!!」
だって、今までだってばれたこと無かったんだよ。
「まばたき一つしない人間はいねーぜ。同じく、まばたきする人間もいない!!忠告どおりよーっく観察させてもらったよ。あんたの性格判断・・・おしゃべりで大人びたおチビちゃん!!」
なんで、怒らないの・・・。
「このガキ!よくも・・・」
べちーっ
「あうち」
「まちな。」
悲しいよ、辛いよ、どうしたらいいかわかんないよ・・・。
たすけて・・・
「ママぁ・・・」
「ママ?」
「・・・あのマネキンが?」
「わけを話してくれる?どうして君みたいな小さい子がこんな事したの?」
私は全部話した。
本当は救ってほしかったんだ。
ママ・・・もういいよね・・・?
風子はそんな私を抱きしめてくれた。
「辛かったね・・・さびしかったんだよね・・・・・・でも今から、私達が友達だよ。」
ありがとう、風子。
「あんな事したのに許してくれるの?ケガさせてゴメンね・・・」
ママと友達がいっペンにできちゃった!
風子、ありがとう。
ウニ頭、ありがとう。
烈火、ありがとう。
頑張るね。
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後書。
短いけど、願坊の視点でした。
本当主人公でないな・・・。
でも、ここは抜かせないし・・・。
次回予告です。
次回は石王です。
瀬陰暗鬼