目覚めは最悪。
だって電話で起こされたから。
08.花火
友達の家へ行くって初めてだなあ・・・。
今まで友達っていないに等しかったし。
ピンポーン・・・
私の家にわざわざ来る人っていたっけ・・・?
いないよね・・・だって、教えてないし・・・。
「はい・・・って、凍季也!?」
「インターホンで確認してから出ろよ。」
「あ、うん。(怒られた!?)」
「醤油、余ってないか?」
「お醤油?あるけど・・・・どうしたの?」
「きらした。」
「ふーん・・・じゃあ、朝ごはん、食べてく?」
「いや、少し分けてもらえれば・・・。」
「私だってそんなにあるわけじゃないし・・・。」
「じゃあ、是非。」
「よろしい。(笑)」
_______
「和食平気?」
「あぁ。」
「はい、急いで作ったからこんなものだけど、どうぞ。」
「イタダキマス。」
「いただきます。」
料理は別に下手ではないのよ?
でも、好みは様々だし・・・口に合わなかったら・・・(ドキドキ)
「・・・。」
「あのー・・・・まずい?(ドキドキ)」
「いや、美味い。」
「ほんと!?よかった。」
「(姉さんの料理意外美味いと思わなかったのにな・・・)」
やっぱ、美味しいっていわれると嬉しいね。
「どこかでかけるのか?」
「うん。そういえば、どこ行ってたの?学校休んで。」
「師の所に修行にな・・・。」
「お疲れ様。」
「ありがとう。」
「じゃあ、片付けるね!!」
ありがとうって・・・そんな綺麗な顔で言われたらドキドキでやばいですよ・・・。
「キャッ・・・」
余所見をしていたら滑りました。
食器を片付けた後でよかった・・・じゃなくて!
頭をぶつけるっ・・・・
でも、予想とは違って衝撃が来ない・・・。
「大丈夫か?」
「へ、へいきです。」
凍季也に助けてもらった。
「あ、ありがと・・・。」
「別に。そういえば、どこ行く?」
「えっと・・・学校方面。」
「一緒に行かないか?」
「うん!行く!!」
「外で待ってる。」
「うん。」
顔赤くなってないかな・・・。
だってさ・・・普通に綺麗な人にあんなこと言われたら・・・・ヤバイでしょ?
「オマタセシマシタ。」
「何故カタコトなんだ?」
「別に気にしないでください!!」
何でかなあ・・・楽っていうか、隣にずっといたい。
でも・・・こんな感覚、前にもあったような気がする。
ねぇ・・・私は何を忘れているの?
「じゃあ、私こっち。」
「気をつけて。」
「お互いにでしょ。」
_______
ピンポーン・・・
「へいへーい。」
ガラガラ・・・
「はじめまして。花菱さんのお宅で間違いないでしょうか?」
「おー。間違いねぇねぇ。(美人だ・・・烈火の知り合いか?)」
「烈火さんには何も知らせていないのですが、霧沢風子さんに誘われて。」
「おぉ!風子ちゃんか。来てる来てる。まあ、あがってくれや。きたねぇとこだけどな。」
「ありがとうございます。お邪魔します。」
__________
パチパチパチ・・・
拍手?
何やってんの?
ガサッ・・・
「4人で楽しそうね。」
「!?」
「遅いじゃーん。」
「いや、隣人に捕まったの。」
「そっか。」
「で、柳・・・それは何?」
「紙芝居です。」
「そう・・・。」
「見ますか?」
「遠慮するわ。」
風ちゃんと土門が後方でずるいーッ!!って言ってるけど無視。
だって、私は褒めてあげられないし。
「カラオケしよー!!点数低い人には罰ゲームね!!」
「じゃあ、俺一番!忍の極意を歌いまーす!!」
「「何それ。」」
「烈火って歌上手なの?」
「下手v」
「耳栓ほしいなあ・・・。」
烈火42点。
低すぎじゃない・・・?
「次、石島土門!風子様に向けて歌いまーす!!愛しいあの人!!!!」
「土門君って大胆!」
「へたくそー!!」
土門22点。
何でこんなに低いんだろう・・・。
「次風子ちゃんね!!Fighting girlを歌いまーす♪」
「やめろー!!」
「?」
風ちゃん、56点。
これで、最高だからなあ・・・。
「次は柳だよ?」
「あ、うん!!森のくまさんを歌います!!」
「「「「・・・・・。」」」」
柳、48点。
森のくまさんって簡単だよね・・・。
「ラストはv」
「あ、うん。じゃあ・・・SNOW TOWNで。」
「知ってる?」
「いや・・・」
「私も知らない・・・。」
「とりあえず、罰ゲームは嫌じゃ!!」
ごめん、土門よりは下手じゃない。
〜♪
名前のない町に 今 飛び立った
大きな翼を広げ歌った
空に ちらちらと 雪 降りおりたころ
ずっと広がる景色に泣いた
愛されないなら 誰も愛さない
愛されたいと思うのは 罪ですか?
雪の降る今日に 私は一人になった
手のひらに落ちて溶けた雪のように
私も溶けて消えたい・・・
〜♪
「なんかさ・・・悲しい曲だね。」
「うん・・・でも上手い。」
「土門ビリだな・・・。」
「同感。」
_______________
「えっと・・・下手だった?」
「いや、上手かった。」
「点数89点だって!!」
「じゃあ、罰ゲームはやっぱり土門だ!!」
「うんうん。」
「って、柳、どうした?」
「歌が・・・悲しくて・・・。」
本当いいこなんだなあ・・・。
私もあの歌を初めて聴いたときは泣いたし・・・。
「土門への罰ゲーム決めて!!!」
「そっか・・・私が決めるんだ・・・じゃあ・・・
窓から落ちるってのは?」
「・・・・・・・・・。」
「駄目だよ!!土門君死んじゃう!!」
「冗談だよ。じゃあね、今までで一番情けなかったことの話ね。」
「風子様の前でそんな!!」
「「や、土門のかっこ悪いトコは知ってるから。」」
「花菱もいうなー!!!」
ねぇ、いつまでこんな日常が続くと思う?
幸せってさ、思えば思うほど崩れるのがすごく早くて・・・。
だから、みんなこの時間を大切にしろって言うのかなあ?
「、ケータイ鳴ってるよ。」
「あ、ありがとう。メールだから。」
メールは凍季也からで、
『影法師を知っているか。』
という短文。
『知ってる』
と返したら、
『学校に来てほしい』
と返ってきた。
「ごめん、用事できちゃった。また明日、学校でね。」
「!!気をつけてねん♪」
「ばいばーい。」
「またなー。」
「じゃあなー。」
お願いです。
この日常を壊さないで。
____________
「凍季也!」
学校の裏門。
影法師と凍季也がいた。
「そして・・・影法師。」
「私が烈火がほしいっていったのは知っているわね。」
「えぇ。」
「水鏡君、席をはずしていただける?」
「あぁ、ただし、に何かしたら・・・」
「わかっている。この子には直接手は絶対に出しません。間接的に傷つくことはあるかもしれないけど。」
「凍季也、大丈夫だよ。」
影法師の目が怖くなかった。
凍季也が離れてからゆっくり話を始めた。
「ごめんなさい、。」
「何故謝るの?」
「あなたにはもっと早く伝えるべきでした。」
「言っている意味がわからないわ。」
「烈火を手に入れたいんじゃないのよ。」
「では、なんのために?」
「もうすぐもう一人の炎術師が現れる。烈火には負けてほしくないのよ。」
「絶対に戦う運命なんですか?」
「えぇ、名は
紅麗。」
く・・・れい・・・?
同じ名前だ・・・。
「彼は烈火たちに酷いことをするかもしれない。
でも・・・。
あなたは、あなただけは彼を悪人として見ないであげて。
お願いよ。」
「・・・うん。
私、人と感性が違うから絶対になんて約束は出来ないけど、第一印象だけで判断してはいけないと思ってる。
でも、みんなを、友達を傷つけるなら許せないかもしれないわ。」
「そう・・・。」
優しい目。
やっぱあこの人は悪い人じゃない。
「そろそろ移動しなくちゃね。」
「凍季也、移動だって。」
「何もされていないか?」
「心配性だなあ。」
________
影法師に案内された場所には烈火と柳がいた。
ひゅー・・・・どん!!
「わ、綺麗。」
柳という種類の花火。
多分、烈火のお手製なんじゃないかな。
この時期の花火もおつだね。
綺麗だ・・・。
「あなたは佐古下柳さんに興味があるようね。でも、彼女には烈火がいつもついている・・・彼女に近付くには、烈火に勝たなければ・・・・・・ね。勝てるかしら水鏡。あなたに・・・・・・。」
影法師は烈火と凍季也を闘わせようとしているんだ・・・。
どっちが強いんだろ・・・。
「火は水で消える。それが答えだ。」
違うよ、凍季也。
答えはもうひとつある。
NEXT
後書。
影法師大好きです!!(ォィ
いい人なんですよね、陽炎さん。
僕、最初のころの悪人陽炎さんを書くの、嫌ですよ。
え、だったら途中からはじめろって?
無理無理ー♪
だって、こういう風に書きたかったんだもん!!!!!(ぇ
早く紅麗に出てほしいです。
あと、主人公ちゃんが歌ったSNOW TOWNの詩は完全オリジナルです。はい。
適当に作りました。
では、次回予告です。
そうですねぇ・・・・保育園。(笑
水鏡編は、前後編です。多分・・・。
瀬陰暗鬼