卒旅 二日目 03.土屋光
「うーん・・・」
女にしては背が高いほうなんだろうけど・・・・。
高いところにある商品を取ろうとする姿はやはりかわいい女の子の姿で。
「何やってんの?」
「ツッチー・・・あれ、届く?」
ひょいひょいっといとも簡単に商品をとる。
やっぱ男だし、女の子にはいいとこ見せたいもんだろ?
ちゃんは特別かわいいし。
「ほら。」
「あ、ありがと。」
よく見たらまつげ長いな。
目も男よりだいぶでかい。
なんで今まで気づかなかったんだろう。
「何?」
隼人と竜が惚れるのも頷ける。
今まで周りにいなかったタイプだから新鮮だし。
「ね、ツッチーって、見てないようでよく周りを見てるよね。」
「・・・そうか?自由なだけ。」
自由はあのお馬鹿さんの特権でしょー?
なんて言って笑いあってる。
こういう子が彼女だったらいいなあって思うんだよね。
でもさ、あの二人にはかないっこないじゃん。
悲しいな・・・。
「ツッチー、ジョイフル産業さん、受かったんでしょ?よかったね。」
「おー、知ってたのか。」
「うん、知ってた。」
まあ、結構大騒ぎしたしな。
「ツッチーはまじめにやればできるのに何でやらないかなあ。」
勿体無いって苦笑いするのを見ると微妙な気持ち。
まあ、3Dのやつらはみんな勿体無いし。
「ね、よかったら今度家に遊びに来ない?」
「実家?それとも一人暮らしのほう?」
「実家。」
「何で!?」
実は・・・と言って話されたのはお袋さんのこと。
「ってなわけなの。がツッチーのことお母さんに話しちゃって。お母さん、我侭だからさ・・・。良かったらみんなで。」
みんなで・・・か。
俺だけを誘わないのは、意識されていないから。
なら、きっと友達のままのほうがいいよなあ。
きっと、こう考えたのは俺だけじゃないはず。
「ツッチー、最初のころはすごく嫌ってて・・・冷たい態度とか、ごめんなさい。」
そんなこと、気にしてたんだ。
まあ、ちゃんだし・・・。
でも、俺自身が何も気にしてないんだよなあ。
よっしゃ!
ぐりぐりぐりぐり
「ちょ・・・何するの!?髪の毛ぼさぼさ!!」
「んなこと気にすんなっての!!いいの、いいの。」
「ツッチー!!」
「仲間なんだろ?」
「っ・・・・うん!!」
でも、ぼさぼさにしたのは別だからね!といって殴られた。
誰かのことを自分よりも優先したり、他人のことを考えすぎて一人悩んでしまう。
それが・・・俺らのお姫様なんだなあって。
NEXT
あとがき。
いやあ、ツッチーは背が高くて羨ましい!!!
まじでいいなあ。
まあ、次回から思いっきりクライマックスまっしぐらですよ!
楽しみですねぇ。(ぇ
瀬陰暗鬼