卒旅 ニ日目 02.武田啓太
「たーけちゃん!!真希ちゃんにお土産買った?」
「ううん。まだなんだ・・・言いの見つかんないの・・・(しゅん)」
「(きゅん)うーん・・・ブレスレットとかピンキーリングとか珊瑚のもの可愛いよ?」
只今ちゃんと一緒に買い物中。
真希ちゃんにお土産か・・・でもね、今は真希ちゃんの事よりもちゃんとの時間を大切にしたいんだ。
だってね、ちゃんはこれから大学生になって、そして・・・
もともと住む世界が違ったのかもしれない。
最近、どんどん寂しくなる。
皆で一緒にいられるのはコレが最後なのかな?
「これかわいーっ!タケちゃん、これどう?」
「・・・あ!可愛いね!!ちゃん、それ買うの?」
「ううん。私、こういうの似合わないの。真希ちゃんにって。」
「いいかも!!やっぱピンクかなあ・・・可愛いし。」
「白もきれいだね。」
「いっぱいあるから悩むね!!」
白はちゃんにぴったりだなあって思ったよ。
「タケちゃん!こっち来て見て。」
「へ?」
マヌケの声を出しちゃった。
恥ずかしい・・・。
「いや、これからみんなばらばらでしょ?だから、不安かもだけど仲間だからって証に皆で持たない?ケータイとかカバンとか鍵とかにつけたら寂しくないよね。」
俺の気持ち、ちゃんにバレバレだったのかな?
でも、嬉しくて、嬉しくて。
「隼人は赤かなあ。竜は青?」
「日向は黄色で、ツッチーは緑!」
「タケちゃんはピンクね。」
「ちゃんは白ね♪」
お買い上げーって楽しそうに言うちゃんを見てたら安心できた。
別にばらばらになっても一人になるわけじゃないんだ。
仲間は絆で繋がってるんだよね。
「隼人!竜!!ツッチーに浩くん!!!みてみて。タケちゃんと選んだの。可愛いでしょ?一人一個ね。」
ちゃんは皆に1つずつ手渡して、俺のトコへ来た。
「はい。タケちゃん。」
にっこり笑ったちゃんは太陽が氷を溶かすように俺の心の不安を溶かした。
「ありがと。」
にっこり笑い返した。
「みんな、ケータイだって。私達もケータイにしようよ。」
「うん!!」
―また皆で楽しく過ごせるよね。
とか、
―ばらばらな道だけど仲間だよ。
とか
そんな思いを込めて、また笑った。
ありがとう、ちゃん。
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あとがき。
タケちゃん終わった。
この辺はほのぼのです。
タケちゃんは真希ちゃんと付き合っててほしい。
そんな願望とともに。
可愛いタケちゃんが書きたかったです。
瀬陰暗鬼