あのあと、久美ちゃんから連絡があった。
私の選ぶ道 03.さようなら
今、大江戸一家にいます。
「私な、学校を辞めたんだ。」
これはあの理事長が一番望んでいたこと。
「じゃあ、お母さんにやっぱ補助は無しでって言わなくちゃね。」
「そうか・・・、なんで退学したんだ?」
「前から決めてたの。私、白菊の卒業式には必ず出なくちゃいけないし、でたかったから。日にち被っちゃってね。」
「もっと早く教えてくれればいいのに・・・。」
「ごめんね、久美ちゃん。」
言い出せなかったんだ。
言ってしまったら、きっと、離れたくなくなるから。
「、私の生徒に一度でもなったやつは、一生私の生徒だ。だから、このことだけは忘れんなよ。」
「ありがとう。久美ちゃん。本当ありがとう。二ヶ月間お世話になりました。」
「おう。」
私は明日、卒業式。
ちゃんと笑顔でいなくちゃ・・・。
ありがとう、久美ちゃん。
本当にありがとう。
何度言っても言い足りないくらい、ありがとう。
_________
「姉?」
「ケータイ、変えちゃった。」
「連絡、しないの?」
「うん。寂しくなるし、会いたくなっちゃうからね。」
「そっか。」
「ね、これ、文章変じゃないよね?」
「うん。大丈夫。」
「ありがと。」
__________
side
「はい、もしもし?」
『、は!?がどこにもいねぇんだよ!!』
「大丈夫です。落ち着いてください。」
『がいねぇのに落ち着けるかよ!!』
はあ・・・ここは言うべきか、言わないべきか。
でも、隼人さんに教えると、全員に知られちゃいそうなんだよねぇ。
姉の気持ちを最優先にしたけど、でも・・・。
「隼人さん、これから話すことを竜さん以外に伝えないと約束してください。
約束をしてくださるのならば、姉のこと、話します。」
『約束する。』
「では、何が知りたいですか?」
『はどこにいる?』
「家にいます。今は自室で明日のことを考えているでしょう。」
ごめん、姉。
『なんで黒銀をやめた?』
「卒業式が被ったんで、白菊に行くためにも、退学は免れなかったんです。」
『じゃあ、もともと退学するつもりだったのか・・・』
「はい。」
『明日、白菊の卒業式は何時に終わる?』
「11時半です。」
『うわ、ぎりぎり。』
「何をするつもりですか?」
『会いに行く。』
「そうですか。」
会えるか分からないのに行くこの人はすごいと思う。
『あと、電話もメールも繋がらないんだけど。』
「ケータイを新規に変えてましたから。本人は二度と会わないつもりですよ。」
『、ありがとな。助かった。』
「いえ、隼人さん・・・姉には僕、このことを一切伝えませんから。」
だって、僕が不利になるし。
『おう!任せろ!!』
いや、答え方間違ってるし・・・。
「では。」
そのうち僕は姉と離れる。
ならば、姉には泣かないでほしい。
笑っていてほしいんだ。
大好きだから。
NEXT
あとがき
半分弟の回です。(笑)
シスコンバンザーイ!!
あ、弟は可愛い設定です。
外面は。(←ここ重要)
うちの弟も外面可愛かったらなあ・・・と思いながら弟を出してます。
うちのとは真逆です。(笑)
瀬陰暗鬼