TO.ちゃん

帰ってきなさい。




本文


ちゃーん。

一回も帰って来ないってどういうこと!?

お母さん、寂しいわ。

明日、お母さんお休みだから、どうせばれてるんだし、お友達(いい男)連れて来なさいv

明日楽しみにしてるわv



FROM.お母様



























コレは昨夜私のとこに来たメールである。













































「何々!?お呼ばれ?嬉しいなー♪」



何でこいつがいるんでしょうか?



「竜、何でこいつがいるの?」

「さぁな。」

「私、誘った覚えないんだけど。」

じゃねぇの?」

「そうなの!?」

「いや、昨日俺のとこにメール着たからもしかしたら行ってるかもしれない。」

なら仕方がない。」



昨日“友を連れて一回帰宅せよ。”とお母様から命令があり、タケちゃんと竜を誘って帰宅をしようと思ったら、おまけが一人ついてきました。



「ね、隼人も誘ったの?」

「多分、ね。」

君、家にいるの?」

「いるよ。」

「会いたいな♪」

「うん。多分会えると思う。」



なんてこの子は可愛いんでしょう。

それに比べて・・・電車ぐらい静かにしてください。バカトくん。



































_______________________






















駅に到着
















「はいはい。バカトくん、降りるよ。」

「俺、馬鹿じゃねぇもん!!」


「「馬鹿。」」



















__________________


























下車完了。













ここからって・・・確か、結構歩くんだよね。

車がないと不便な場所だ。



「お嬢様。」



呼び止められました。

えっと・・・確か、お母さんのお付きの運転手さん。



「お久しぶりです。」

「お迎えにあがりました。」

「え、わざわざですか?ありがとうございます。でも、どうして?」

「あ、奥様が遅いから迎えに行けと。」

「そうなんですか?わざわざ本当スミマセン。」



お母さん・・・部下をこんな形で使わないでください。

我侭もほどほどに・・・。



「すげー!!なげー!!竜の家のより高そうじゃん。」

「ホントだぁ♪コレ乗ってくの?」



目が輝いてるのはタケちゃんと馬鹿。



「うん、それ。」

「落書きしてー!!」

「お母さんに殺されたいならどうぞ。」

ってお袋さん似?」

「さぁ?似てないと思うけど・・・。」

「お嬢様は、奥様よりも旦那様に似ております。」

「へぇ。親父さんにかあ。」

「ってか、お金持ちだったんだね!!」

「普通だよ・・・多分。私自身は。」

「普通じゃないよ!絶対。」

「とりあえず、血を見たくないから乗って。」


「「らじゃ!!」」




車内にて



のお袋さんって美人だよな。」

「いや、あれは若作りのし過ぎ。」

「竜はなんで知ってんだよ。」

「昔パーティーで。」

「竜って、パーティーに出てたの?」

「昔だから。」

「最近はおじさんも誘わないとか?」

「あぁ。」



ポケーっとしてると、隼人が話しかけてきた。



「何?」

「お袋さんに、娘さんを俺にくだパイ!!って言ってもいい?」

「別にかまわないよ。隼人のうちが大金持ちなら。」

「は?」

「そういう人なの。」

「奥様は、隼人様にお会いするのを楽しみになさってましたけど・・・?」

「嘘!?」



なんだかんだで、自宅到着。

すごく久々だ・・・。



姉。」

、久しぶり。」

「うん(笑)とりあえず、母さん、すごく怒ってたから早く行った方がいいよ。」

「なんでよ・・・。」

「遅いって。」

「竜で何とかならないかなあ?」

「微妙?」

「えー・・・」



お母さん怒ってるのはやだな・・・。

だって恐ろしいもん。

お父さんはまだ仕事中なのかな・・・。



「おじゃましまーす。」
















・・・・・・・。


















!?
















バカトが先に行っちゃった!!!



















「あら、いらっしゃい。ちゃん、遅かったわねぇ。」

「一本電車に遅れました。バカトのせいです。」



この際、この場さえ凌げれば・・・。



「・・・・・(じー・・・)」

「お義母様、はじめまして。矢吹隼人と申します。」



なんで、いつもあんなにおばかさんなのにこういう言葉を使ってるんですか!?



「ご両親はどんなお仕事を?」

「お母さん!!」

「親父は運送業・・・(多分)お袋は他界しています。」

「そう・・・。(じー・・・・)」



お母様・・・自由奔放もいいとこですよ・・・。



「あら、竜君もいらっしゃい。お久しぶり。元気そうでよかったわ。それに、身長も伸びたわね。かっこよくなってv」



竜に対する態度が明らかに違いますよね!?



「こっちの小さい坊やは?」

「タケちゃん。」

「あぁ・・・(じー・・・)







そう。(にこ。)」



興味なさそうだ・・・。

お母さんの好みじゃないのはわかってたけどさ・・・。



ちゃん、ちょっといらっしゃいv」



・・・・逃げ出したい・・・。

でも、逃げられない・・・。



「何?」

「やっぱ、いいわよね。竜君。」



この人は・・・何言ってるのでしょうかね?



「隼人君もいいわv可愛いし、おばかだけど。」

「そうでしょうね。可愛いかどうかわからないけど、馬鹿なのはあってる。」



隼人もね・・・可愛いのか・・・うーん・・・。



「とりあえず三人だけ?」

「は?」

「他の子は?」

「まだばれてないけど?」

「えー・・・・もうとっくにクラス中にばれてて逆ハーレムだと思ってたのにぃっ!」



この人は・・・自由気侭すぎるよ!!



姉ね、隼人さんのこと連れてこないつもりだったんだよ?」

「あら、そうなの?」

「うん。」

「・・・ちゃーん?どういうこと?」



逃げ出したい!!



「とりあえず、隼人君、竜君、ゆっくりしてってね。」

「ハーイ♪」

「ありがとうございます。」

「タケちゃん、ごめんね;;」

「ううん。全然平気だよ?」

「(きゅん)」



今日はタケちゃんと一緒にいよう。

ずーっと。

和む!!



「いい物件よねぇ。二人とも。」

「母さんの好みまっしぐらでしょ?」

ちゃんは道場だからお婿に来てもらうのもいいなあ・・・って思ってたけど、竜君のとこは財産面でも、ばっちりなのよねぇ。」

「でも、楽しいのは隼人さんだと思うけどなあ。」

「あら、そうよねぇ。いじりがいがあるもの。」

「母さん、黒いオーラが出てるよ?」

「通常の三分の一よ。」

「それで?」

ちゃんも黒いオーラが漂ってるわ。」



私はタケちゃんとずっといることにした。

ここは和むよ。



「お食事の準備が整いました。」

「食事!?」

「隼人。」

「良かったら、食べてから、軽く体を動かすといいわ。」

「運動?」

「えぇ。運動。」



嫌な予感・・・。

絶対裏がある。



「つーか、でけぇな・・・。」

「もっと吃驚するとこに行くかもね。」

「あ!隼人さ、ちゃんをくださいって言うんじゃないの?」

「この状況でいえたら勇者だよな。」

「竜・・・。」

「お婿にとってくだパイにするから♪」

「え、いらないよ!!」

「がーん(しょぼーん)」




















がたん!!






















大きな音を立てて隼人が席を立った。














「は、隼人?」

「僕を、お婿にとってくだパイ!!」



は!?本気で言いましたね!?



「全然いいわよ、ただし、ちゃんの意思次第ね。」

「はあ!?」



何勝手に言ってるの!?

私次第って・・・結局有無言わさないくせに!!



ちゃんは黙ってなさい。」

「はい・・・。」



たまに本当に母親か、疑問が・・・。(汗



「お姐さんね、隼人君のこと、とっても気に入ってるのよvだからお婿大歓迎☆でもね、お姐さん、竜君も大好きなのよv」



もう、お姐さんって年じゃないでしょ!!

もうすぐ40だよ!?(失礼ね、まだ38よv by母)

ってか、隼人の冗談に何考えてるのよ!!しかも竜まで巻き込んで!!



「竜君、竜君。竜君のお家ならお嫁に行かす気満々だったのよ。二人で思いっきり争って頂戴ねv」



思いっきり争うって・・・。

本当何考えてんの!!

そりゃ、竜も隼人も好きよ。嫌いにはもう、なれない。

でも・・・こんなのは嫌。



「すみません。」

「竜君?」

「竜?どうしたの?」

「俺は隼人にとられんのは嫌ですけれど、の気持ちを優先したいです。」



竜・・・嬉しいかも・・・。



「俺も、竜にとられんのはムカツクし、嫌だけど・・・の気持ちを優先したいです。ここで、タケとか言われたら悲しいけど。(笑)」



隼人・・・いい子になったね。



「二人とも好青年でお姐さん感動しちゃったわv多夫一妻制があればいいのにね。」


「「それは嫌です。」」


「あら、どうして?」


「「こいつと一緒にずっといたくないから。」」




息ぴったり。

仲いいんだから。



「たっだいまー♪が帰ってきてるって言うから早く帰ってきたよー♪」

「あら、あなた。わざわざ早く帰って来なくてもいいのに。」

「うん。別に。」

「え、まで!?」



お母さん・・・相変わらずだ。

お父さんっていっつもかわいそうなんだよね。



「お父さん、お帰り。」

っ!久しぶりだな♪元気してたかー!?」

「うん(笑)」



お父さんって、ちょっと邪魔だけど可愛いよね。(笑)



「はじめましてお義父さんv」

「はじめまして。」

「はじめまして。」



少々の沈黙。

お父さん?



「ま、まだ、お嫁に行く系の話はしたくない・・・。(涙)」

「へ?」

「あなた、紹介するわvお婿候補の隼人君と、お嫁候補の竜君よ。」

「母さんや・・・まだ、お嫁にやりたくない(涙)」

「何言ってるの!せっかくこんな美男子がいるのに勿体無いわ!!」

「でも・・・はまだ若いんだし・・・それに一人暮らしなだけでも寂しいのに、お嫁とかなんて・・・」

「おだまり。あなた、結婚は出来る時にしないと後々後悔するのよ?わかってるでしょ?」

「はい。」



お父さん!?

丸め込まれちゃったよ!?


























_________
























「さて、軽く運動でもしようかしら。」

「ういっす。」

「あら、いいのり♪」

「ばっちりです!!」



お母さんと隼人って波長が合うのかしら・・・?



、高校はどう?楽しい?」



お父さんが話しかけてきた。



「うん。大丈夫だよ。」

「うん。よかった。がんばるんだよ?」

「ありがとう。」



久々に家に帰って、相変わらずのお母さんと優しいお父さんに会って、よかったと思う。











私にとって、竜も隼人も友達で、恋愛相手としてはみれません。











友達。











大切な、大好きな、友達。





NEXT


あとがき。

オカン強烈。
おとん弱い。(汗
えっと、ここの家はオカン>弟>主人公>父となってますね。確実に。
父の威厳なし!?
ってわけじゃないんで。
道場にいるときは弟君にとってお父さんは師範なわけですし。
主人公ちゃんに護身法を教えるくらいですからね。
ただ、腰が低いだけですよ。
うふふ。
まだ主人公ちゃん、友達って言ってますよ。
どうする?どうしましょ。
はっははー。(乾笑

瀬陰暗鬼