「ねぇ、履歴書にどの写真を貼るの?」
面接 02.夢
「ん?これv」
ありゃ?
駄目でしょ、これ。
「ガン飛ばしてどうすんの?」
そのとおりです。
全く馬鹿だよね。
「なめられたくねぇからよ。」
落とされるよ。絶対に。
『あははー』
「で、これはまずいでしょ?」
「ま、まぁ気持ちはわかるけどさ。」
「え!?」
「わかっちゃった!?」
やだやだ!竜が毒されてる!!
唯一の救いなんだから!!!
「んじゃあ、これ使えよ。この前一緒に撮ったやつvv」
「うぉっ!さんきゅー。」
この前?
いつですか!?
あぁ・・・私が休んだ時のかな。
うーん・・・・でも・・・これは無理でしょ。
「いや、それもまずいだろ。」
「証明写真を撮りに行くしかねぇな。」
『ハイ・・・』
竜はやっぱ冷静だなあ。
結局証明写真を撮ることになった。
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証明写真撮影終了
「ちゃんとした顔で撮れましたか?(笑)」
「おーよ。」
「これからどうする?」
「これで写真も撮ったし、履歴書もばっちりよ!!」
いや、ばっちりなのは知ってるから。
どんだけ、俺と竜が真剣に履歴書を考えたか・・・。
「よっしゃーんじゃ、ツッチーの面接前祝、やっちゃう?」
「「いぇーいっ♪」」
「いや、面接の前祝なんてやんねぇだろ。」
ごもっとも。
受かってから祝いなさい。
「大丈夫、大丈夫。何も恐いことなんてないぞ?」
「そうそう。」
竜が、日向にさらわれた!!
「んじゃ、カラオケでも行っちゃう?」
カラオケならパスだな。
「も参加な。」
「竜、俺帰りたい。」
「俺もいくし。」
「帰る!!」
「駄目。」
駄目って!!竜めー・・・。
「よっしゃ!!行くぞ、行くぞ!カラオケ行こう。カラオケ!!」
「割りかんだからな。」
「逆だー逆!!」
隼人、逆に進むなよ。
馬鹿だ、やっぱし。
ありゃ?
ツッチーがいない?
「隼人、竜、タケちゃん、日向、あれ見て。」
『!?』
ったく喧嘩はやだよ?
「お前らなんかでも就職すんのか?」
失礼だねー。
ヤル気になれば誰だってするよ。
「あぁ?」
「文句あんのかよ。」
喧嘩腰だ・・・駄目だねぇ。
「あぁ!?」
「卒業したら真面目にお仕事ですか?」
「関係ねぇだろ。」
「働くなんて馬鹿じゃねぇの?」
や、こいつら馬鹿だけども・・・。
働かないと結局は生きていけませんから!!!!
ビリリッ!
破いた!?
履歴書・・・破いた!!
それ・・・私と竜が2時間かけて作ったやつなのに・・・。
ム・カ・ツ・ク!!!
「馬鹿ねぇ。確かに竜以外は馬鹿だよ。でもね。あんたはもっと馬鹿。」
「誰だよ、テメェ。」
あ、胸倉つかまれた。(冷静)
「俺のに何してんだよ。」
いや、俺、いつからお前のになったんだよ。(冷静)
「大丈夫か?やめとけって、こんなやつら相手にすんなよ。」
「あ、うん。」
ついかっとなってしまった。
反省っと。
って、隼人!!あんた短気すぎだよ!!!
「こんなやつら!?言ってくれんじゃねぇか!!(怒)」
「てめぇら、なめてんのかよ!?」
「隼人!?」
「は離れてろ。」
「いや、もともとそうするつもりだけど?」
とりあえず離れる。
巻き込まれるのはごめん。
「あぁ。なめてるよ!!」
ドガッ!!
殴る隼人とそれを止めようとしてる竜。(生で見たのは初めて!!)
あ・・・あの人は・・・ヤバイな。
ジョイフル産業の人だ。見てるよね。確実に。
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数分後
「よっしゃ、俺らの勝ち。」
「いくべ、いくべ。」
「ん??」
「今日は帰る。」
「送る・・・」
「うん。ありがと。」
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次の日
「今日だよなー面接♪」
「・・・」
「?どうしたの?」
「面接無理かも。」
「なんで?」
「昨日の喧嘩をジョイフル産業のお偉いさんが見てたんだよ。気づかなかった?」
「まじ?」
「うん。」
全員アウト。
いや・・・面接も満足にしてもらえるかわからない状況だ。
きついなあ・・・。
数時間後、ヤンクミから全員アウトが知らされた。
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ガラガラ・・・
「ツッチーたち。」
「まさか、昨日の喧嘩。あん時の面接官に見られてたとはな。」
「気づいてなかったんだ。」
「あぁ。」
止めるべきだった。
「ついてねぇよ。」
「ごめん・・・。」
小さく呟いた言葉は隣にいた竜以外には聞こえてなかった。
「?」
「大丈夫。」
竜は優しい。
そして、久美ちゃんはすごく怒ってる。
「そういうことじゃねぇだろ。」
「わりぃ・・・」
「わりぃじゃねぇだろ!せっかくの面接、台無しにしやがって。世の中なめんのもいい加減にしやがれ!!」
間違ってない・・・だからこそ言い返せない。
「つーか俺らの何がわりぃんだよ!?」
「だって悪いのは轟のやつらだよ?」
「俺等、喧嘩売られたんだよ。」
確かにそうだけど・・・大人から見たら違う。
殴ったら同罪。
わかってたのに・・・冷静じゃなかった。
「お前らはそれでいいかもしれん。けど、こいつらはどうなるんだ?
お前らのくだらない喧嘩のせいで面接すらしてもらえなかったんだぞ?喧嘩をするなとは言わない。
けど人生にはここぞ!!っていうときがあるんだ。ぐっと歯を食いしばって我慢するときってのが。」
喧嘩の理由、知らないよね。
話してないからな・・・あとで一応話そう。
事態は変わらないだろうけど。
「もう、わかったよ。我慢できませんでした。」
「開き直ってんじゃねぇよ。」
火に油だ。
馬鹿隼人。
「そんなおこんなよ。どーせ受けても駄目だったろうからさ。」
「もういいよ、別に。」
ツッチーたち、久美ちゃん、ごめん。
止められなくて・・・ごめん。
「よかねぇだろ!!お前達の人生なんだぞ?何でどうでもいいなんてこといえんだよ?もっと真剣に自分の人生と向き合えよ!!」
久美ちゃん・・・本当ごめん。
さっきからそういえば心の中で謝ってばっか。
「今まではどんな馬鹿やろうが親が尻拭いしてくれただろ?でもこれからは違うんだよ。」
「自分のケツは自分で拭けってことだろ?」
「それだけじゃねぇ。自分の行動に責任を持つ。言うのは簡単だ。でもお前らはその重さを全然わかってねぇ。自分の軽率な行動が他人を巻き込んだり取り返しのつかないことになるかもしれない。それをちゃんと肝に銘じとけ。」
人間って、分かってるのに出来ないことってあるよね。
でも、それはやらなくちゃいけない事だって終わって、取り返しのつかなくなって気づくんだ。
「!!理事長・・・」
「黒川さん・・・」
何でこの人が!?
「お前らは今後一切就職活動なんかしなくていい!!」
「どういうことですか!?」
「今回のようなことがあると我が校の恥を世間に曝す事になりますからね。」
『なんだよそれ!!』
「お前ら!静かにしろ!!」
「先に言っておけば・・・今後何か問題があれば厳しい処分をします。」
「厳しい処分って、退学ということですか?」
「はい。問題行動には厳しい態度で臨むことがわが校のイメージアップにも繋がりますからね。」
ムカツク・・・本当嫌いだ。(相当怒ってる)
「テメェ。何がイメージアップだよ!!」
「ふざけんじゃねぇよ!!」
『そうだそうだ!!』
「静かにしろって言ってんだろが!!」
久美ちゃん・・・わかってるけど、もう皆だって我慢の限界だよ。
「私はどんなことが在っても退学なんてさせませんから。」
「山口先生!!」
「誰一人欠けることなく3D全員揃って卒業させてみせます。」
「夢のようなことを。」
「いけませんか!?ただ卒業証書を受け取るだけじゃなくて、ちゃんと次に進んでいく道を見つけて、
ちゃんと巣立っていく生徒達が見たいんです。それが私の夢ですから。」
久美ちゃん・・・きっと皆に伝わってるよ。
届いてるよ、その夢。
「彼らにそんな夢を持っても・・・」
「期待するだけ無駄というもんですよ。」
「退学させたけりゃ勝手にしろよ!!」
「隼人!?」
ガンッ!
「矢吹!!」
ガタガタ・・・
「お前ら、マテッ!!」
みんなの気持ちはよくわかる。
みんな腹を立ててるんだよ。
そして、葛藤してる。
私はすごく、この馬鹿どもに腹を立ててるよ。
「竜、後で行く。」
「あぁ。」
私はやりたいことがある。
だから・・・先に行ってて。
竜にアイコンタクト。
伝わったかな?
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数十分後
「失礼します。」
教務室(職員室)にきた。
「君?」
「!?」
「理事長と話がしたいのですが、いらっしゃいますか?」
一か八かの賭けだけれども、このまま引き下がるわけにはいかない。
止めなかった私にだって責任はある。
「いいですよ。どうぞ。」
「黒川さん・・・ありがとうございます。」
このわからずやに全てを話す。
なるべくあいつらが不利にならないように。
久美ちゃんが傷つかないように。
そして、ある条件をクリアすることで今回のお咎めと今日の暴言に対するお咎めもなしということで話がついた。
これが私の限界だろう。
あとは、久美ちゃんだ。
「ヤンクミ、話があんだけど?」
「あぁ。」
久美ちゃんにも全てを話した。
もちろん、理事長との話のこともね。
多分、わかってくれたみたいだったけど・・・(不安)
そのあと、隼人たちと合流してた。
やつらはのんきに遊んでた。(畜生)
NEXT
あとがき。
会話文が多いですね!!
この連載は会話文が多いですね。
絶対多い・・・。
主人公の発言が女っぽくないか心配になってきました。
まあ、馬鹿の集まりなんで気づかないってことで。
瀬陰暗鬼