朝、久美ちゃんから有り得ないことを聞いた。



学校見学会 04.真実



「ツッチーが自宅謹慎!?」

「正式な処分が決まるのは理事長が帰ってきてからだそうだ。」


嘘。
なんで?昨日のことが原因らしいけど、あいつは一つも悪いとこがない。


「処分?」

『なんで・・・。』

「退学とか?」

「女の子と遊んでただけなんだろ?」

「そんなんで退学とか有り得ない。」

『有り得ねぇ・・・。』


ホームルームが終わったあと私は久美ちゃんの元へ隼人と竜と一緒に行った。


「昨夕、ツッチーを見掛けたんだけどさ・・・。」

「え?」

「何か、あの子楽しそうに笑ってたよ。」

「あいつが脅したなんて有り得ねぇよ。」

「そっか・・・。」

「私ね、宮崎さんとツッチーが会ったときツッチーと一緒にいたの。ツッチーは脅していない。これだけは自信を持って言える。それに、もし、宮崎さんになんかあったらと思って私の連絡先教えてあるの。無理矢理連れ回されてゲーセンに行ったなら連絡が来ると思うの。それに、あの子は自分の意思でツッチーとあのとき一緒にいた。」

「そうか、わかった。」


久美ちゃんは職員室に向かった。
なんか、一人かけた3Dは変な感じがして嫌だ。

そんな中放課後を向かえた。


「隼人、あれ。」

「ツッチー。」

「行きますか。」

「だな。」


ツッチーは悪くない。
絶対悪くない。
日頃の行いのせいで疑われ易いのは仕方ないにしても酷いと思うのよ。


「何やってんだよ。こんなところで。」

「どうせもうすぐ退学なんだし。」

「まだ決まってねぇだろ。」

「ヤケになんなって。」

「ヤンクミが心配してるぞ。」

「んなわけねぇだろ。先公なんかみんな同じなんだよ。」

「あんたも石川と同じこと言うんだ。俺はヤンクミは同じじゃねぇと思うよ。普通なら見捨てたいようなクラスでも見捨ててないじゃん。今の発言は石川と同じでヤンクミをけなしてんだけど。」

・・・。」

「あんた一人でもいないとさ、今日ちょっと寂しかったんだよね。」

「・・・。」

「なんとかなるよ。あんた悪くないじゃん。」

「言ってろ。」


ツッチーは私たちの前から去っていった。
次の日もやっぱ寂しかった。
静かでいつもウザイのだけが取り柄の3Dじゃなかった。


「ツッチー・・・。」




―――――――――




放課後になった。
日に日に過ぎてく時間が嫌だった。


「あれ、山口じゃね?何やってんだ?」


塾の前で菜緒ちゃんと話をしている。
久美ちゃん、私たちはその姿を見て明日のこと決めたよ。




―――――――――




次の日になってしまった。
今日は処分が決まる日。


「よ、ツッチー。」

「顔貸せよ。」


そう言ってツッチーを菜緒ちゃんの家の前まで連れてきた。
久美ちゃんをみてもらうために。
そこには菜緒ちゃんのお母さんに頼み込んでいる久美ちゃんがいた。


「朝っぱらから超迷惑。」

「本当珍しい先公だよな♪」

「まっ・・・ちっとうぜぇけどな。」

「かなりだろ。でも、悪くねぇじゃん。」

「信じていいと思うけど?」

「・・・。」


その後、学校に向かった。
学校に着いた直後にケータイが鳴った。


「はい。」

さんですか?』

「菜緒ちゃん?!」

『あの、実は、私・・・。』

「わかった。今から迎えに行く。菜緒ちゃん、ヨロシクね。」

『はい。』


私は竜に全てを話して菜緒ちゃんのところに向かった。




―――――――――




「隼人、竜、みんな。」

。」

「絶対なんとかなる。菜緒ちゃん、ヨロシクね?俺らは味方だから。」

「はい。」


強い眼差し。
きっと大丈夫。


バンッ!


「わりぃ・・・なんかじっとしてられなくてさ。」


隼人がそう言ってる間に私は菜緒ちゃんの背中を押して“大丈夫”と声をかける。
がんばれ。って意も込めて。


「あ、あの・・・。」

「宮崎!?」

「ごめんなさい。土屋さんは何も悪くないんです。私のせいなんです。」

「もういいよ。」

「よくねぇだろ!?最後まで聞け。馬鹿。さ、続きをどうぞ。」

「私、万引きしようとしたんです。もう、勉強なんてしたくない。受験なんかどうでもいい。そんなことを考えてたら、土屋さんがいなければやっていました。」

「土屋が止めた!?」

「どうしてそんな嘘をつくんだ。」

「嘘じゃありません。」

「土屋に言えって言われたのか!!」


なんでこの人は自分の生徒を信じられないの?
最低教師!!


「まだわかんねぇのか!!」


久美ちゃん、久美ちゃんがいれば、私は何も言うことないわ。


「この子がどんな思いで本当のこと話したのか、なんにもわかんないのか!?自分の生徒のこと、もっとよく見てやったらどうなんだよ。もっと話を聞いてやったらどうなんだよ。」

「あんたこそ、土屋のことどれだけ見てるって言うんだ。担任になってまだ日も浅いくせに。何が分かるって言うんだ!!」

「時間じゃありませんよ。例え一時間でも生徒のこと見ようと思えばちゃんとわかります。土屋は短気で喧嘩っ早くて、どのすぎた悪戯もやるやつです。でもクラス一のムードメイカーで、言葉遣いはなってないけど、ちゃんとごちそうさまって大事なことが言えるようなやつなんです。自分のやったことに一切言い訳もしないで、責任を潔くもつやつなんです。コイツには、まだまだ私の知らない良いところや悪いところがいっぱいあるはずなんです。コイツらだってそうです。優しいとこ、だらしないとこ、みんないろんな面を持ってるんです。私はコイツらのことがもっともっと知りたいんです。私はこれからもずっとコイツらを見続けていきたいと思います。」


流石久美ちゃんだね。
やっぱその辺のやつとは違うね。
感動したよ。


「あのぅ、土屋くんの処分はなしってことじゃないですか?」

「そうですよ。土屋は万引きをとめたんでしょ?むしろ土屋を誉めて、誉めてやらなきゃ。」

「いや、あ、その、あ・・・。」

「そういうことになりますか。」

「ありがとうございましす。」

『よっしゃー!!』


だからそれやめろって。ウザイ!!
でも、まぁ、今回だけいいか♪
私は菜緒ちゃんのとこへ・・・。


「ありがとう。すごく助かった。」

「いえ・・・。」

「あ、ヤンクミ?」

「よく話してくれたね。ありがとう。」


この後溜め息をついた石川が出ていった。
そして、菜緒ちゃんが黒銀を受けると言ってくれた。
3Dは盛り上がったけど、私たちは三月で卒業です。
馬鹿なんだから。

教室に戻ってツッチーの胴上げをした。
3Dはちょっとだけウザイくらいが丁度いいのかもしれないと思ったり(思わなかったり。)
ツッチーは案外イイヤツなんだなぁ。とわかった。
どんどん毒されてる気がするよ。(汗)






NEXT






あとがき。

ヤンクミのセリフが面倒でした。
はい(笑)
では今回もゲストが。
お馬鹿の代名詞(笑)矢吹隼人さんです。

「なんだそれ。」
言ったまんま。(笑)
「俺の出番少なくね?」
君の場合愛はあるのよ。
でも気合いがないの。
「だから少ないと?」
主人公ちゃんの秘密を知ってるだけで十分特別よん♪
「はぁ。」
そんなんだから竜に押されてるのよ。
「今は、竜のが優勢なの!?」
それは秘密。作者の特権でどっちにも出来るしね。
「てか、主人公の性格かわってね?」
うーん・・・変わらなくちゃ意味ないのよ。でもねぇ。
「何がしたいんだよ。」
無事終わらせたいの。まぁ、次回は隼人と竜の話しよ。
ばっちり二人ともいいとこあれからね☆
「俺だけは!?」
うーん・・・お互いまちまちにいいとこがでるといいね☆
「また曖昧にしやがって!!」
あははー・・・。
「誤魔化せてないぞ?」
いいのだよ。作者はこのままのつもりでいるから。
「最後までどっちつかずかよ!!」
あははーってことで、この辺でお開きです。
隼人が活躍するのは・・・まぁ、これからですね。
では。次回をおたのしみに。