寂しい。
すっごく寂しい。










温い愛。











夜、仕事を終えて帰ってもそこはいつも通り真っ暗やった。

実家に帰ったのは最近ではいつだった?
すぐに思い出せないくらい前の話みたいだ。





「風呂、風呂。」





疲れたときは風呂に限る。

ごはんは・・・後で食べたらええねん。
一食食べへんかったって死にやせぇへん。

風呂に入ろ、思って蛇口をお湯の方へ回した。



しかし、出たのは水。





「何でや!!」





うわーんとなり、とにかくガス水道会社に連絡しようとしたとき、玄関にあった手紙に気付いた。





「何やねん。」






その封筒はガス水道会社からやった。





“工事のため9月11日午後2時〜9月12日午前4時まで使用不可”





「最悪や。」





これではガスが使えへんから食事も作れへん。

幸い、お米は炊けるが・・・食べたないな。



こんなことになるんやったらケチらんと全部電気の家を借りればよかった。





「着替えて寝よ。」





きっと今日は最悪な日やったんや。





「なんとなく寒い。」





何が、とは言わん。

もしかしたら心がかもしれん。
それとか、本当に気温が寒いかもしれん。

でも、今日は夏のように暑かった。
だから、これはまだまだ夏、終わらんなあ言うて笑ったんや。





「寒いやなくて寂しい・・・ねんな。」





うん、寂しい。

誕生日やのに誰もおらんことも、一人で過ごす夜も。

本当、寂しくて、寂しくて。





に会いたい。」





実家の隣の家に住む幼馴染みの女の子。

いや、もう女の子やなくて女性って言うた方がいい年になっとる。
一個か二個くらい下やったはず。
学生ん時はめっちゃ気にした年の差も今じゃ忘れてまうくらい気にしてない。
実家に帰ると窓から顔を出して、おかえり!って言ってくれる。
そんな子やねん。





「呼ばれて飛び出てみたよ!」





急に他人の声がして、バッ!と飛び起きた。





「しょーた、顔、崩れてるよー。」

「何で!?」

「しょーた、無用心だよ。鍵開けっ放し。オートロックでも鍵の開けっ放しは危ないんだよ。」

「え、あ・・・忘れとったかも・・・」

「入ったのが私でよかったね。」





ケタケタ笑う





「何でおんの・・・?」





今、めっちゃ泣きそうや。





「だってしょーたの誕生日でしょ。」





仕事終わってからやったから、遅れちゃった。と舌を出して言う。





「子供の時みたいに一番やないけど、まだ今日だから許してね。」





許すも何もない。

やって、寂しかった。



寂しかったんや。





「ちょっ、何で泣いて・・・」





ぎゅっとを抱きしめた。





「しょーた・・・。」





抱きしめ返してくれたは暖かかった。





・・・来てくれてありがとう。」

「・・・うん。」





のが年下やのに大人に見えた。





「しょーた、お弁当作ってきたよ。食べよ。」





何で、はいつもいつも僕のこと分かるんやろ。





「しょーた、誕生日おめでとう。」





直後にのケータイのアラームが鳴った。





「日付変わる前に言えてよかった。」





その言葉も笑顔も、温かった。



後書。

やっさんの誕生日ですよー。
やっさん可愛いよね☆
魂でついついクリアファイルを買いますた。
これ、病院でぽちぽちケータイで打ってました。
ちなみに、BGMはわたし鏡です。
やっさんのソロですね。可愛い曲だから大好き!
今月は誕生日の人が多くて大変だ。
主人公にしょーたって言わせたかっただけってのは秘密。

瀬陰暗鬼。