俺らしく生きるために君が必要なんだ。
放課後ブルース
「なーに、またさぼってんのよ!」
うるさい女がきた。
授業がくだらなくてさぼってるとき、いつもこいつは来る。
「またって、10回目だし。」
「未成年!煙草禁止!!」
「うるさいな。」
「まあ、私も人のこといえないけどね。ここにいる時点でさぼり決定。チュッパあるよ。いる?」
「いらない。」
「私の肺のためにやめてよ!タ・バ・コ。」
「無理。」
どこまでこの女は我が儘なんだろうか。
でも、この声が凄く心地いいんだ。
「ここって屋上よりばれないよね。」
だから煙草を吸ってんじゃん。
わかってるくせに。
「はあ。」
「溜め息はよくないよ。山下くん。」
「つーかそれやめて。痒い。」
「いーや!私のことを名前で呼ばない限りやめないもーん。」
「あ、放課後は来んな。」
「また喧嘩?」
「うん。」
「怪我しないでね。」
「さあ?」
自分の存在確認のための喧嘩。
「むなしくない?人を殴っても痛い思いをするのは右手で。それにむなしくない?」
俺は無視して歩き出した。
―――――――――
「さっさとかかってきなよ。」
早く終わればいい。
喧嘩も、一日も。
「雑魚。」
どんな未来があるとか、何になりたいのとか。
夢とか何も見付からない。
ただ早く、早く、のみ考えて歩いていた。
「山下くん!!」
「だから、痒いって。しかも来んなって言ったじゃん。」
「そんなことどうでもいいの!それよりこんな土砂降りなのに傘もささないで歩いていたら風邪ひくよ!?ほら、入って。」
「あんたが濡れるよ。俺びしょびしょだし。」
「別に気にしないよ。あ、タオルあるから頭だけでも拭いて!」
「ん。」
口煩さが心地好いんだ。
こんな俺を心配してくれてるから。
「あ!」
ガキが目の前で転んだ。
「だ、大丈夫?」
傘は俺が持っている。(身長的に。)
でもはガキに手をさしのべた。
俺にはそんな勇気はなかった。
「あ、山下くん?待ってよ!!もう転ばないようにね。」
心が腐っているとかこいつならいいそう。
言われても構わない。
事実だから。
「何?」
「別に。」
何もいわない。
それがまた心地好いのかもしれない。
夜がきたら一人になる。
こいつもいなくなる。
それかまた寂しく感じるんだ。
―――――――――
「山下、職員室に来なさい。」
くだらない説教。
綺麗事ばかり。
半分は嘘のくせに。
聞くならあいつの小言がききたいな。
俺はこんな大人にはなりたくない。
―――――――――
「山下くん!帰んの?」
「だから痒いって。」
「じゃあ名前でよんでよ。」
「やだ。」
「じゃあ、私も嫌。」
なんでこいつは来た?
授業中じゃん。
「さっき、おっさんに呼ばれてね、もう山下くんとは関わるなって。お前も腐るぞ。っていわれちゃった。」
「じゃあ、もう関わんなければ?」
「嫌。だから今、ここに来たの。私は山下くんの見方にでいたいっていいにきたの。」
「先公の言うこと聞けば?俺と関わっても損だけだから。じゃあね。。」
「っ・・・や、山下っ・・・」
革ジャンはおってバイクを飛ばした。
みたくなかった。
泣いてるあいつをみたくなかった。
今も泣いているだろう。
昨日の土砂降りのように。
でも、俺は宛てのないまま走り続けた。
雨が降ってきた。
このもやもやした気持ちを誰にもぶつけることが出来なくて、情けなくて。
いつかは大人にならなければいけない。分かってるけど・・・。
雨に打たれながらあいつにいった言葉。
アイツを泣かせてしまったことに対し悔しさが溢れてきた。
どんなに腐っているとか言われても平気だった。
でもアイツがいないと駄目なんだ。
夜はまだこないで。
そう重いながら学校に向かった。
校舎裏に。
―――――――――
空には白い三日月が輝いていた。
「いた。ってか、こんな時間に女一人でいたら危ないじゃん。」
「山下・・・くん。」
「最後のいらない。」
「何よ。」
「好き。そばにいて。俺が俺らしく生きるにはが必要なんです。」
「うん。ずっと一緒にいよう。山下智久。」
明日も明後日も俺らしく生きる。
これからもよろしく。
さん。
end
あとがき。
ノリノリで書いてました。
なんかぴぃちゃんは悪は似合わないね(笑)
この曲は好きですよー。
スッゴク。
歌いやすいし。
では!次回作もオタノシミに!!
瀬陰暗鬼