バレンタインデーの日。
彼女から貰った既製品のチョコレート。
出来れば・・・溶かして固めただけでもよかったから、手作りが良かったなんて、贅沢なことは思ってません。
キャラメルキッス
「ホワイトデー?」
「そんな日あったっけ?みたいな顔すんなよ。が可哀想になってくる。」
「忘れてねーよ。ただ・・・」
「まだチョコの事根に持ってんのか?」
「違うけど・・・何をあげたら喜ぶか、わかんねぇし・・・」
「は単純だからなんでも喜ぶ。」
タケ、お前に対して、すっげー失礼だよな。
「インフルエンザあけだし?ピアノのバレンタインデー発表会があったし?作れなかったのはわかってんの!」
「なら、うじうじしてないで何か買いに行って来いよ。」
「・・・・だから、何買ったらいいか・・・」
「・・・そういうことは、俺じゃなくてスペシャリストのところに行って来いよ。」
「・・・やだ。あの人にのこと知られたくない。」
「お前ら付き合い始めたの11月だっけ?言ってなかったんだ?」
「うん。絶対からかうじゃん、あの人達。」
「まあ、趣味だからな。」
スペシャリストとは、多分慎吾さんのことだ。(合格祝いでカストでなんか奢れメールが着てたから大学は受かったんだろう。)
知られたくないとか、四の五の言ってられないような気もするが・・・
「準さーん。彼女のお迎えだよぉー。」
「んー。わり、わざわざ。」
「ううん。部活お疲れ様!」
この笑顔が傍にあるだけで、こんなに幸せになれる。
「さ、欲しいもんある?」
「欲しいもの?」
「うん。ホワイトデー近いし。」
「ホワイトデー?私、何もいらないよ!」
「え・・・」
イベント事は大事にするタイプのだ。
気、使われてるのだろうか?
「だって・・・私、バレンタインデー女の子として最悪だったもん・・・。」
既製品だったことをそれなりに気にしていたらしい。
ごめん、。
「でもさ、やっぱホワイトデーだから。」
「・・・でも・・・」
しゅんとなってるが可愛くて、既製品だったとか、そんなの関係なしになりそうだ。
「じゃあ・・・どっか行こうか。俺の好きなとこ、付き合ってよ。」
「!うんっ!行く!!次の日、ピアノの発表会だけど、練習サボっちゃう。」
「え、それっていいの?」
「・・・あんまし、よくないけど・・・特別ね。」
「最後に、バレンタインデーの分も、聞かせてよ。」
「・・・うん。」
照れたように微笑んだが可愛かった。
*
ホワイトデー当日。
外部受験の人の為に何故か、午前放課だったので、制服デートという形になった。
ただ・・・俺たちは喫茶店にいた。
「ごめん・・・。」
「ううん。これくらいはお安い御用です。」
俺の古典の追試のせいで、とのデートは半中止状態になってしまった。
「準太くんも苦手なことあるんだね。」
「理系はなんとかなるんだけどな・・・」
「理系は難しいよ・・・」
「は根っからの文系だもんな。」
「私、音大目指すんだ。」
だから理系はセンターだけと笑う。
大学は一緒のトコは無理だなあと悟った自分。(野球で推薦もらえるかな・・・)
「あのね、準太くん・・・」
「ん?」
「卒業しても・・・学校ちがくなっても・・・私・・・」
ぼそぼそと言う。
何が言いたいのかがわかってすごく嬉しくなった。
「うん。」
「一緒にいたいな、ずっと・・・」
ぎゅっとテーブル越しにを抱きしめた。
今はこれで、本当十分だ。
「にこれ、あげます。」
やっぱホワイトデーは何か必要だと思ったから・・・(弟に聞いてみた。)
「いいの・・・?私・・・」
「既製品でも嬉しかったから。」
「次はがんばる!」
「うん。」
女の子のものはよくわからなかったけど、指輪はまあ、あげちゃったから・・・。
「わ、可愛いっ!」
弟の好きな子がずっとクローバーラビットっていうぬいぐるみを欲しがってたらしいから・・・。(小学生から高校生の女の子に人気のぬいぐるみらしい。)
貯めてたプラスチックの貯金箱を割って、買った。(高校球児には結構キツイお値段で。)
「ありがとっ・・・うれしいっ。」
ぎゅーとうさぎを抱きしめて笑ってるを見たら買ってよかったなって。
「これね、ハートラビットとセットなんだよ。家にね、ハートラビットがあるんだ。ピアノの上に飾るね。」
うさぎのおでこにちゅうをしてるをみて、うさぎに嫉妬したなんて言えなかった。
「。」
「何?」
テーブル越しで触れるだけのキス。
唇からはキャラメルの香りと、チョコレートの甘みをほんのり感じた。
あとがき。
やべ、砂吐きそうなんですけど。
甘すぎるよ。甘いよー。
この子、何気に気に入ってる。
クリスマス、準太バースデーと同じ子です。
可愛いな、もう!
多分、うさぎの値段は2000〜3000円くらいだよ。
ちなみに、絶対慎吾さんはこの二人が喫茶にいるとき、タケと一緒に見てたさ。←
こんな甘いのはめったに書きませんよー。
瀬陰暗鬼。