「ゆーちゃん。」
「あ、ごめん。寝てた・・・。」
「これを見たいって言ったのはゆーちゃんだよ。」
「ん・・・。」
「ん・・・って、疲れてる?」
「疲れてないよ。」
「・・・ふーん・・・。」
ねぇ、ゆーちゃんは気付いてる?
最近のゆーちゃん、ずーっとお疲れなんだよ。
なのに・・・明後日のゆーちゃんの誕生日にデートするためにお仕事をすっごく頑張ってる。
「ゆーちゃん・・・誕生日のね・・・」
―デートはやめにしようよ。
そう言おうと思った。
でも、ゆーちゃんが、
「絶対休み、とるからね。」
って、言うから言えなかった。
ゆーちゃんは明後日のゆーちゃんの誕生日に、私とデートの約束をしてくれた。
絶対どこかに行こうって。
ゆーちゃんがね、すっごく楽しそうに話すから、私もうんって頷いた。
でもね・・・やっぱり・・・
*
そして、9月4日。
昨日の夜にゆーちゃんがセットした目覚ましをオフにした。
ちょっと罪悪感はあったけど・・・やっぱり休んで欲しかった。
私は台所に向かい、たくさんおいしいものを作ることにした。
それで、今日は苺たっぷりのケーキをおいしいケーキ屋さんで食べようねって約束をしてたからそれも作ってあげようと思う。
ゆーちゃん、笑ってくれるかな・・・?
ゆーちゃんが起きたのは、それから三時間後。
「、ッ!」
「あ、おはよー。」
「おはよう。って、違うよ!そーじゃないよ!なんで起こして・・・」
「はい、あーん。」
「あー・・・んっ。(まぐまぐ)」
「おいしい?」
「うん。おいしいよ。ってちがーう!!!」
「もー。起きたとたんうるさいよー。」
「デート・・・」
しょぼーんってなってるゆーちゃん。
「ゆーちゃん、ゆーちゃん。せっかくの誕生日なんだからそんな小さい事気にしちゃ駄目だよ。スペシャルショートケーキも作ったよ。」
だから、今日はゆーっくり疲れを癒そうねって言うと、ゆーちゃんはちょっと元気になった。
「ごめんね、・・・」
「何で?」
「だって・・・」
「私はゆーちゃんと一緒にいれるだけで幸せだよ。」
それに今日はゆーちゃんの誕生日なんだから。
「でも、元気のないゆーちゃんはやだな。だから、今日はおやすみね。」
「うん。」
ケーキに乗ってる苺を一つゆーちゃんの口にえい!っと入れてあげた。
「甘い?」
「うん。おいしい。」
苺食べてるゆーちゃん、いっつも幸せそうだね。
「ゆーちゃん、誕生日おめでとう。あと・・・」
この先は恥ずかしかったから耳元で。
苺とちょっとの幸せ
―生まれてきてくれてありがとう。
あとがき。
めちゃくちゃあまーい。
なんだ、このゲロ甘は!!!
これ、クロス大事件(暗鬼命名)以来の浮上作です。
浮上作がこれって暗鬼の頭はどうなっちゃってるんだろう・・・!
苺だし・・・(暗鬼は苺嫌いです。)
最近苺多いな。
うん。苺って可愛いよね。(見てる分には。)
中丸さん、フルでゆーちゃんだしね。
ま、中丸さんはいっつも甘くなるんですけど。
瀬陰暗鬼。