「ねぇ、ちーくん。骸さんって・・・甘いもの好き・・・?」





私がちーくんこと、柿本千種くんにこのことを聞いたのは、三日前のことだった。









トロベリー・プソディー










ドキドキドキドキ・・・

ドキドキドキドキ・・・




只今、黒耀センター前。

私の心臓は爆発寸前なのかもしれない。
三日前、犬ちゃんが骸さんに、もうすぐ骸さんの誕生日ですねって話していたのを聞いて、千種くんに詳しくそのことを聞いた結果、今日が骸さんの誕生日だってことがわかった。

だから、今日はケーキを作ってここまで来た。

ケーキはすごく上手くいって、満足している。
きっとおいしいはずだ!と思う。
いちごをたっぷり使ったショートケーキはケーキと言えば、王道であろうものだ。




「あれ・・・・・・?」

「あ、ちーくん。こんちは!」




ちーくんは私にも優しくしてくれる。(犬ちゃんにはちょーっと嫌われてる気がするけどね。)




「入らないの?」

「緊張しちゃって・・・」

「いつもはそうじゃないのに。」

「今日は特別だからだよ!」




なら、早くいきなよ。と背中を押されて奥に。

中には真っ赤なソファーがあって、そこに、骸さんはいた。(何故か犬ちゃんが見当たらない)




「骸さんっ、こ、んにちはっ!」

、今日はどうしたんですか?用事なら僕が迎えに行ったのに・・・」

「今日は、私が来なくちゃ、意味なかったんです!」





どうぞ、とケーキの入った包みを骸さんに渡した。




「これは・・・」

「骸さん、お誕生日おめでとうございます。」




骸さんは目を丸くした。

いつもは何を考えているかわからない骸さんも、こうやって反応してくれるとわかりやすい。





「どうして・・・」

「ちーくんが教えてくれたの。この前、骸さんと犬ちゃんがお話してたのを聞いちゃって・・・」

「そうだったんですか・・・」




ありがとうございます、。と言って微笑んだ骸さんはいつも以上に綺麗だった。
だから、ちょっと照れた。




「あ、それ!ケーキなんですよ!今日、早起きして作ったんです!」

「おいしそうです。」




クフフと相変わらず変な笑い方な、骸さん。
そんなとこも大好きなんだけれど。




「いちご・・・真っ赤ですね。」

「一番おいしそうなのをスーパーで選んだんです。」

「確か、好きでしたよね?いちご。」

「大好きです!」




いちごは、甘酸っぱくて、幸せを運んでくれるから大好き!




「おいしいですよ、。」

「よかった・・・」




作った甲斐があったなありしみじみ思っていたらリップ音。

いちごの味がした。




「む、骸さんっ!?」

も甘いですね。」

「そ、そんなことないですっ!骸さんのが甘いですよ・・・」

「僕が甘いのはの作ったケーキのせいです。」




骸さんは犬が帰ってくる前に食べなくては。と言って、ケーキを食べ始めた。

私は、骸さんの隣に腰掛けた。




「いちご、食べます?」




ふいに、骸さんにいちごを差し出された。




「え!?」

「ずっと見ていたので。」




見ていたのはいちごではなくて、骸さんです。だなんて、恥ずかしくて言えない。




「どうぞ。」

「ありがとうございますっ。」




いちごを口の中に放り込むと口の中に酸味が広がった。




「んーっ、幸せですっ!」




骸さんが、僕はが幸せなら、幸せです。なんて歯の浮くようなセリフを言うから、大事な事を言い忘れてしまいそうだった。




「骸さん・・・来年も、その次もこうやって、お祝いしましょうね。」



来年もその次も一緒にいたいという私の我侭。




・・・ずっと、一緒にいましょうね。」




返事の変わりにキスをした。

いちごの酸味が口の中ではじけた。





あとがき。

誕生日おめでとう、骸。
えー・・・暗鬼乱心中というのは、文を読んだ方はわかると思います。えぇ。
暗鬼は苺が死ぬほど嫌いです。
なのに・・・苺・・・というのは・・・乱心中ってことで。
こいつ、意外と難産でした。はい。
ってか、文の系統が、準太のキャラメルキッスと同じ感じになってしまった・・・。

瀬陰暗鬼。