「へ?」

「へ?じゃないッスよ。班長、明日、誕生日なんス。室長主催でパーティーするんスよ。」

「へー・・・」

「へー・・・じゃなくて・・・さんは何も・・・」

「ないね。」




みんなリーバーにこそこそ隠しながら作業を進めていたから気にはなって手頃な眼鏡に聞いた所、明日はリーバーの誕生日だそうだ。





「コームイ。」

「あ、ちゃん、お帰り。」

「次、何かないの?」

「んー・・・僕、忙しくて・・・」

「へぇ?それは確実にパーティーの飾りだと思うけど?」

「あはははははははー。」

「何かないの?」

「えっとー・・・」

「室長!今、ファインダーから救援願いが・・・アペニン山脈の麓の・・・」




救援願いはアペニン山脈の麓の村に正午に叫び出す少女という奇怪を調べているファインダーからだった。




「・・・ちゃん・・・」

「・・・何?」

「すぐ、戻ってきてね。」

「・・・気が向いたら。」




アペニン山脈ならここからそう遠くない。
終わらせようと思えば、明日の夕方くらいには戻ってこれるだろう。








*








任務は予想以上に楽だった。
奇怪の正体はAKUMAでそれを倒して終わりだった。

ただ・・・





「エクソシスト様、ありがとうございました!!!」




ここはキリスト教の信仰心が篤い村らしく、何故か崇められている。




「ありがたや、ありがたや。神は我らをお救い下さった。」




ワインに食事と多分この村最高のもてなし。

このワイン、すごくおいしい・・・。




「お姉ちゃん、これ、あげる!」




赤い袋。




「これ、何?」

「この村のお守りです。赤は健康。」

「・・・私、これはいらない。大切に持ってな。きっとこの先、それを渡すべき人はちゃんと現れるから。」

「うん!!」




赤は健康・・・ってことは他の色もあるのだろうか。




「他の色もあるの?」

「えぇ、もちろん。」




黄色は富、緑は安産、青は仕事、白は結婚らしい。




「欲しい色がありましたら言ってください。」




青は仕事守りか・・・。




「青、ください。」

「はい!」




ふと浮かんだリーバーの顔。
誕生日なんて誰一人として祝ったことがない。
ま、いっか。






数時間後、村を後にした。









*









私が教団に戻ったのはそれから二時間後。
出発した日の次の日の23時。

教団内はドンチャン騒ぎ中だった。

みんな酒が入り、できあがってしまっている。
酒の飲めない今日の主役はそこにいない。




「全く、何処に行ったのよ。」




お子様組は酒が入った時点で退散したらしい。
ちなみに今日の主役の行きそうなところを私は知らないわけで・・・

とりあえず、科学班室に来てみると、そこに目的の人物はいた。

こんな日にも仕事か・・・




「なーにやってんの。」

「あ、おかえり、。」

「・・・・ただいま。それより、仕事中毒も考えものね。こんなときも仕事?」

「ああ。室長が今日の分、丸々サボったからな。」

「・・・うん。お疲れ。」




いつも思うけど、リーバーって本当可哀想な人だよね。




「よかった。」




ボソリと呟かれた言葉に何が?と返した。




「・・・今日中にに会いたかったんだ。」




少し照れたようにリーバーが笑うから、何言ってるのと笑い飛ばせなかった。




「・・・これ、あげる。」




ペイッと青い袋を投げた。




「・・・え?」

「任務先で貰ったの。それは仕事守りなんだって。中に幸せを貯めるらしいよ。」

「・・・ありがとう。」




本当に嬉しそうにするから調子狂うじゃない。




「・・・おめでとう、リーバー。」




















この後、二人が何をしたかは秘密。


あとがき。

リーバー班長大好き!
ってか、リーバー班長夢は何故か、固定主人公ちゃんになってしまう。
この子は今書いている連載の主人公ちゃんなんですが・・・。
ちなみに最後に怪しい言葉がありますが、この子とリーバー班長の間じゃ、何もおこりません。(笑)

瀬陰暗鬼。