「修、アイス食べる?」

「あ、!?」




そいつは、授業をサボってそこに居た。








初め





「暑い、暑すぎる。」

「教室行きゃあいいじゃん。」

「馬鹿?教室だとアイス食えないのよ?」

「お前・・・なんで成績いいんだよ。」

「何ででしょー?」




ハイ、アイス。と渡されたそれを口に入れた。
それはチューブに入ったカルピスのアイスで、隣ではハーゲンダッツを食ってる。
値段が違いすぎではないだろうか・・・。




「何よー。文句あるなら食べるな、馬鹿。」

「文句はねぇけど、普通同じのとかにすっだろ!?」

「しないよ。あたしはこれが食べたかったの。」




前に運動中、バニラとかのクリーム系は口がべたべたして、水分が欲しくなるからって言って、せっかくのアイスを断った覚えがある。
それからはこうやってべたつかないやつを買ってきてくれるんだけど・・・





「授業中に男子部にこんな頻繁に来て平気か?」



野球部のグラウンドは男子部と女子部の間にあるが・・・




「平気だよ。」

「つーか、ここは俺専用の休憩場所だったのに!」

「だからアイス持ってくるじゃん。」



ああ言えば、こういうってやつで困る。



「修、こっち向いて。」

「ん?」

「ていや!」




ひんやりと目に、冷たいものがあたった。




「アイスノンあげるよ。」

「ん・・・さんきゅーな。」

「あと、これも。」




水筒を渡された。




「なんだよ、これ。」

「プロテインジュース。牛乳だと冷たくないでしょ?」




冷たい牛乳はおなかを壊すから部活中は禁止だ。

そんなことよりも・・・





「今日、優しくねぇ?」

「あはは、そりゃ、修の誕生日だもん。」




おめでとうって笑顔で言われて、を抱きしめた。




「汗臭いよ。」

「うっせー。」

「ふふ、おめでとう、修。」




生まれてきてくれてありがとうって言われて照れた。




ー。いるー?」




大声な幼馴染の声がした。




「いるよー。」

「もー。電話したんだよ?次の授業はの大嫌いな数学ですよー。次休んだら留年の危機でしょ?」

「あ、そうだった。瑠里、わざわざありがとね。あ!修、まったねー♪」

「おー。」

「ねぇ、と叶って付き合ってんの?」

「さあ?」




そいつは嵐のように去っていった。
三橋に言ったさあ?ってセリフが胸に突き刺さった。

だから、俺は明日きっとアイツに告白するだろう。
もう、さあ?なんていわせない。絶対に。






END.

あとがき。

叶初書きかもしれない。
好きキャラの一人です。むふふ。
可愛いよね、かのにゃん。

瀬陰暗鬼。