夜十一時。

私の家に訪問があった。












訪問者










「あのね、一ついいかなあ?」

「うん。」

「今、何時かわかってる?」

「うん。」

「何で君はここに居るのかなあ?私が課題に追われていること知ってるよねぇ?」

「うん。」





私の嫌味はにっこり笑顔で返された。


私は学生。(一応受験生ではない。)
彼は社会人。(どうして私たちは付き合ってるんだろうね?)



それに・・・





「私、和也君にここの住所、教えてないよねぇ?」

「うん。美羽ちゃんに聞いたの。」





お姉ちゃんッ!!!





「ね、デート行こうよ。」





車に乗ってきたからさと楽しそうに言う、和也君。

本当にこの人、今の状況わかってるのかな?





「ねぇ、今何時か本当にわかってるの?」

「うん。」

「じゃあ・・・おやすみなさい。明日も撮影頑張って。」

「デートしてくれなきゃ明日、頑張れないー・・・・」






なんなんだ、コイツ。

たしか、サプリの撮影のときも何かこんな感じなこと言わなかったっけ?
まんまとだまされた覚えがあるような、ないような。


でもね、この仔犬のような目に勝てる人が居るとは思わないんだよね。

いたら、その方法を伝授して欲しい。





「とりあえず、寒いからさ・・・中に入ってよ。それで、着替えてくるからそこにあるミルクティー飲んで待ってて。」










*








とりあえず、デートだって言うから、いつもはしないメイクもした。

デートって言っても、時間が時間だからドライブデート。





「どこか行くの?」

「行きたいとこある?」

「・・・沖縄。」

「それは連休がとれたらでいい?」





それにしても、どうして今日なんだろうか。

それに、わざわざお姉ちゃんに私の所在地を聞いたりして・・・





「あ、十二時。」

「本当だ。」

「ねー、。俺に言う事ない?」

「え・・・こんな夜中に連れ出しやがってこの馬鹿野郎?」

「ちがーう。」





多分和也君のであろうケータイのバイブが続々と鳴る。





「和也君、電話かメール着てるよ。」

「バイブだからメールだよ。俺、今、見れないから、見て。」

「・・・?あ・・・。」





いっぱい届いていたのは誕生日おめでとうのメール。





「今日か・・・」





忙しくて忘れていたってことはないんだけど・・・かわいそうなことをした。





「おめでとう。」

「うん。」

「大好き。」

「うん・・・って、えー!?も、もっかい!!」

「二度といわない。」





こういうセリフは照れるから言いたくないんだけど・・・






「うまれてきてくれてありがとう。」





今日はあなたにこれを伝える日だから。










―END。










あとがき。

亀ちー誕生日おめでとう。
こうさくを演じてる亀ちーが今、すごく大好きです。
ただ、あのリップスメイクはいまだに気に入らないです。
えぇ。
年の差カップル萌え。
美羽ちゃんは主人公のお姉ちゃんです!

瀬陰暗鬼。