「、柏餅は食べないの?」
「帰ったら食べるからとっといて!!」
「ランボくんが食べちゃうかもよ?」
「うん。それはそれで仕方がないから!私、学校に行ってきます!!!」
「え、学校!?」
今日はこどもの日。
五月人形に柏餅、それにこいのぼり。
おひな祭りのときのように皆がはしゃぐ。
そんな日ですが、私は休日だけど学校に来ました。
そんな日に生まれたお方は休日の今日もきっとここにいるだろうと思ったから。
応接室とかかれた部屋の扉をガラガラと開けた。
一見誰もいないように思われたが、ソファーに寝ている人が、いた。
「寝てる・・・」
近付くときは音は立てないようにそーっと動いた。
ここに来る前に買った白い花いっぱいの花束から、比較的大きいものを抜き、その人の髪に挿した。
「似合うなあ・・・」
綺麗な人なんだとずっと思ってはいたが、ここまで綺麗だと羨ましすぎる。
「何してるの?」
「あ、おはようございます!雲雀さん。」
「うん。おはよう。」
微笑んで私の頭を撫でたその手はすごく優しくて暖かかった。
「あ!それと・・・お誕生日おめでとうございます!」
買ってきた花束を差し出すと、一瞬、微妙な顔をされたが、受け取ってくれた。
「これ・・・この花?」
「うん。綺麗・・・ですよね?それに、雲雀さん、すっごく似合ってます!」
「うん・・・でも・・・」
「でも・・・?」
のが似合うよ。と言って私の頭に花を挿してくれた。
「あ、りがとう、ございますっ!」
やっぱり似合うと笑った雲雀さんの柔らかい表情にドキドキした。
「これ、せっかくだから、そこの花瓶にいけといてよ。」
「あ、はいっ!」
花束を受け取って、立ち上がった私の服の裾を雲雀さんが掴んだ。
「雲雀さん?」
「それ・・・」
「はい?」
「あとででいいや。今はここにいて。」
「は、はい!」
ドキドキドキドキと心臓がうるさい。
「あ!忘れてた!!それだけじゃないんですよ!!」
実はケーキを作って持って来ていた。
じゃーん!と出すと、微妙な顔をされた。
「作ったの?」
「・・・半分以上お母さんが・・・」
お世辞でも私一人で作ったケーキは上手いとはいえない。
「はい!フォークも持ってきました!!小さめだから、ぜーんぶ一人で食べれますよ!!」
「うん。」
ケーキを一口分フォークにとって、私の前に差し出した。
「あーん。」
「はい?」
「僕、甘いの好きじゃないから。」
「甘さ控えめです!」
「あーん。」
き、聞いてくれない・・・!
諦めて、ぱくりと食べると、口の中が一気に甘くなった。
「おいひぃーっ」
「・・・ついてる。」
ぺロリとついていた生クリームを取られた。
「ひ、雲雀ひゃ・・・」
「僕、こうやってケーキ食べたいから、最後まで付き合ってね。」
白い花
「君は僕の傍にいてね。」
「は、はいっ!」
私はあなたから逃れられない。
あとがき。
ハピバースデー雲雀さん!
ちなみに主人公はツー君の妹ですが、何か?(笑)
雲雀さんは絶対白い花が似合うよねーとか思って書いた一品。
ちなみに、土門も誕生日だよ・・・。
瀬陰暗鬼。