「花井の馬鹿!今度から梓ちゃんって呼んでやる!!」

「ちょっ・・・!?」

「わー。梓ちゃんだってー。」

「うっせーよ!水谷!!」

「花井って彼女いたんだな。」

「お前・・・本当失礼だよな・・・」





―今日は何の日でしょうか?





笑いながら言った幼馴染。
その幼馴染の問いに、ミーティングの日と答えた俺。

幼馴染とは言ってるものの、中学のときから付き合っていたりする。
彼女曰く、もっと幼い頃から約束してたことがあるらしいが・・・。



それより、彼女はミーティングという答えがお気に召さなかったらしく、怒って自分の教室に戻ってしまった。

ため息をついていると、泉からメールが着て、がすっげー怒りながら泣いてんだけど、何かした?梓ちゃん。とあった。





「阿部・・・泉って阿部と似てる?」

「はあ?」

「阿部も泉も酷い奴だよ。」

「水谷が馬鹿なだけだろ。」





今日は何の日かなんてことで怒られている俺ってどうなんだろう。

水谷や阿部が彼女の望む答えを知っているわけがない。





「花井くん・・・」

「あ、篠岡・・・」

「ごめんね、さっきの話、聞いちゃってて・・・あのね、今日は花井くんの誕生日なんだよ。忘れてた?」





おめでとうはちゃんが一番に言いたいだろうからとっておくね。と篠岡に言われて、初めて自分が誕生日なことを思い出した。

今日は何の日か?その答えは俺の誕生日だったんだ。





「花井。って人気あるんだよな。9組男子に。」

「田島とか、去年から狙ってるよなー。」

「口開けば別れねぇかなあだったよな。そういえば。」





泣いているを見たらほっとけねぇんじゃねぇの?と阿部は言う。

それにそうだそうだと頷く水谷。





俺は教室を飛び出した。





阿部は俺が飛び出した後、笑っているだろう。
あいつはわかっててあんな風にのことを言ったんだ。(水谷は何も考えていないだろう。)

わかっていながらも飛び出した俺も俺だけれど。








、いる?」

「いないよ。」

「(いるし・・・)・・・さっきは悪かった。」

だもん。」





高校に入ったとき、恥ずかしいと言う理由でと苗字で呼ぶようになった俺。
二人のときや家にいるとき以外はずっと苗字で呼ぶせいか、学校でと呼んだことがない。





、ごめん。」

「梓ちゃんの馬鹿。」





梓ちゃんって言うのを聞いて、三橋は花井くんは梓くんなんだねと言っている。





「梓ちゃんなんか嫌いだもん。」





がんばっているのは知ってるよ。でもね、それくらい覚えてたっていいじゃない。といわれた。

その通りだ。



そして、俺の誕生日は特別な日なんだとは言う。
多分その理由はちゃんと付き合い始めたのが俺の誕生日だったからだろう。





「ごめん、。」

「・・・許さないよ。」





幸い、休み時間なため、ここにいるのは9組の野球部の連中と俺とだけだ。

機嫌をとるしかないと思い、俺は何でもするから許して欲しいと言った。





「じゃあ・・・」





の口が開いた。





「来年の今日、プロポーズしてよ。」





男子は18歳で結婚できるでしょ。とは言う。





「えっと・・・」

「約束して。」





強い瞳がこちらを見る。

負けたと思った。





「約束する。」

「うん。」





机の下からもぞもぞと出てきて、は花のように笑った。





「梓、ハッピーバースデー。」





―おおきくなったらあずさのおよめさんにしてね。





















叶わない夢はないんだ。










あとがき。

ってな感じで、梓ちゃん大好きですよ。
設定としては、一応二年生ってことで書きました。
仲がいい野球部の仲間たちを組み込みたかったので。
でも、七組と九組のメンバーは変えてません。
ちなみにイメージソングはKinki Kidsさんのフラワーです。
花井はあとで皆にからかわれるんだよ。

瀬陰暗鬼。