半年、すごく長かった。
愛してる。
―んじゃ、行って来んわ!!
明るくそういって旅立った私の大切な人。
マスメディアはいろいろな噂を立てて、それに毎回いらついて。
私には一切連絡をよこさないし、何考えているのかもわからない。
元気なのか、大丈夫なのか、無事にやっていけてるのか。
いろいろ心配してた。
「ちゃん!ハロー!!グッモーニン♪」
「山下君、ドラマで忙しいのにテンション高いね。」
こうやって私を心配して、彼の仲間や親友が訪ねてくる。
でも、誰一人として彼のことを話さない。
まるで忘れてしまったかのように・・・。
「ちゃん、今日の運勢最下位だって。」
「へー。ずーっと最下位だったんじゃない?」
どんどん自分が可愛くなくなってきてる。
「最近、ちゃん、泣かなくなったね。」
初めは無理して作り笑いして、辛くなって泣いていた。
最近は泣きたいときに泣けなくなってしまった。
そう、涙が涸れてしまったのかのように。
「違うよ。涙が涸れてしまったの。」
私の発言で山下君まで悲しそうな顔になった。
「ごめん、そんな顔をさせるつもりはなかったんだけどさ。」
あわてて謝った。
「山下君、帰りなよ。疲れてるんでしょ?」
一人のほうが楽なんだ。
一人にさせて。
「ちゃん、仁のことは忘れて俺と付き合おうよ。」
さっきとは違う真剣な顔。
でもね、私は・・・
「ごめん。私は仁が好きなの。」
待ってるって約束したから。
「そっか。残念なりー♪」
彰くんテンションで言われると全然残念そうじゃないんですけど。
「あ、俺そろそろ行かなきゃ!またね!!」
「うん。」
嵐が通り過ぎた後みたいな静けさ。
そういえばあの日から不眠症になっちゃったんだっけ。
体調崩して病院に行ったら睡眠薬とか精神安定剤をくれたんだったかな。
でも、飲んだら負けな気がして飲んでなかったけど、何か半年くらいたったらどうでもよくなっちゃったなあ。
睡眠薬を袋からだして二粒頬張る。
「お休み。」
誰かに言いたかったわけじゃなくて、ただ口から洩れて。
眠りから覚めるときには白雪姫のように王子様のキスで。
なんてことは言わないから仁に会いたいな。
夢の中で会えるなら眠り続けてもいい・・・・。
会いたいよ・・・仁・・・。
_____
「オーイ。鍵開けたまま寝てんなよ。襲われんぞー。」
耳元で叫ぶな。
五月蠅い。
ってか誰だ?
家に勝手に入ってくるやつなんかいたっけな?
「おっきろー!!!」
耳が痛い。
鼓膜が破れたらどうするつもりだ。
「ん・・・誰・・・?」
目を開けたら懐かしい顔が見えた。
まだ、夢なのかな。
こんな夢なら覚めないでほしい。
「まーだ、寝ぼけてるわけ?」
「ん・・・?夢じゃないの?」
思いっきり頬を引っ張ってやった。
「いひゃい!いへぇっつへんの!!いーひゃーいーっ!!!!」
痛い?
夢じゃないの?
「夢じゃないの・・・?」
「自分のを引っ張ってください!!ってか、引っ張ってやろうか?」
「やめろ、馬鹿。」
ニシシと笑って近付いてくる奴の手をパシリと払った。
「本物・・・?仁・・・?」
「うん。赤西仁でーす。」
半年振りに見た大好きな人の姿に大量の涙が溢れた。
「じ・・・ん・・・っ・・・」
とにかく触れたくて抱きついた。
すごく、触れたかった。
「おかえりっ・・・」
「ただいま。」
「何で、何も言わないのよ・・・。」
「驚かせようと思って。」
本当、勝手な奴。
「連絡の一本くらい入れなさいよ。」
「会いたくなるじゃん。」
「山下君に告白されたわよ。」
「は!?ぴぃ、俺が一生懸命勉強してんのに何してんのさ!!!」
仁が好きだからって断ったことは秘密にしておこう。
「、大好き。」
「向こうに行って口のすべりはよくなったのね。」
軽い皮肉を言って。
「半年、長かった。」
「うん。」
「すごく長かったのよ。」
「うん。」
軽いキスをして。
「何、挨拶?」
「違うっつの。」
濃く、濃く口付けて。
「I love you.」
「愛してるのほうがいい。」
「愛してる。」
山下君、今日は運勢最悪じゃなかったよ。
だって、仁がここにいるから。
end。
あとがき。
仁帰国(復帰)記念夢です。
ってことで、久々のフリーです。
えっと・・・どうしても書きたくて。
意外と気にってます。
山下君を出した後、あぁ・・・やっちまったあ・・・と思いましたが、まあ、いいことにします。
気にってるところは仁のほっぺたをつねったところですかね。
ちなみに、欧米の人はIloveyouはしょっちゅう使うから大事な告白のときは使わないって聞きました。
なのに、Iloveyouなのかは・・・僕の個人的趣味です。(ぇ
英語で愛の言葉を囁かれるよりやっぱ日本語で言ってほしいなあって僕は思います。
だからちょっと、最後にそれを取り入れて見ました。
まあ、英語のほうがい言って方もいらっしゃると思いますがこれで。
では。
瀬陰暗鬼