あの日も、今日も、火曜日だった。
BULE TUESDAY
Pu...Pururururu.....
ガチャッ・・・
「はい。赤西です。」
『私、保険会社○○の・・・』
ガチャ・・・
ムカツクから切った。
俺が電話に出たのはこんなやつの話を聞くためじゃなくて、一週間前の今日、別れた彼女からの電話を待ってる。
別れたのに女々しいのは分かってる。でも駄目なんだよ。
もう一週間ずっとこんな感じの日々が続いている。
情けない、馬鹿だな、でもさ、もしかしたらさ、前みたいに電話くれるかもじゃん。なんて期待してるんだ。
もう、こうしてから一時間以上経ったかな・・・?
いや、もうすぐ二時間だ。
でも電話はこない。
こないんだ・・・。
「仁、じーん!!家の電話の子機を部屋に持っていかないでちょうだい!!」
「あと5分!!」
電話は来ないかもしれない。
でも、あと5分待ってみようと思う。
待ってるだってさ、間は彼女のことだけを考えられるから。
彼女のことを考えてたら脳裏に“さよなら”って言う前の彼女の言葉がうかんだ。
―仁、別れよっか。今大変でしょ?私がいたら邪魔だと思うの。私は、仁の邪魔にはなりたくない。あ、安心して“さよなら”って言ったら会わないし、電話もしないから。
って言ってたんだよな・・・。
そんときさ、俺、馬路で言ってると思わなかったんだよね。
でも、本当だった・・・。
本当だったんだね・・・。
あー・・・涙出てきた。
ぽふっ・・・
ベッドに顔を埋めてみた。
まだ最後の夜の彼女の温もりがあって、心地好い。でも、昨日よりも彼女の温もりが少なくなっている気がした。
一人でいて思い出すのはやっぱ彼女で、彼女が百面相してるのとか思い出す。
笑ったり泣いたりしてさ。
だから涙が出るんだって!!
もー俺、女々しい!!
ちゃちゃちゃっちゃちゃちゃちゃー♪(カラ●ルより
ケータイが鳴った。この音は彼女じゃない。
仕事仲間?誰だよ・・・。
「はい・・・。」
『仁?大丈夫?』
「・・・カーメーっ・・・」
『やっぱ泣いてた(笑)仁は一人になるとセンチさんだから(笑)』
亀か。ムカツクけど、ちょっとありがたいから許す。
てか、亀には別れたこと言ったんだな。
「んで、何?」
『泣いてたら、誰も慰めてあげてないだろうなって思っただけ(笑)』
「っ・・・」
『あーもー泣くなよ。泣くほど切ないなら別れなければよかったじゃん。』
「だって、別れようって言われたんだよ?」
『俺だったらカッコ悪いけど、しがみついてでも別れないよ。だって好きだもん。』
「・・・。」
『まぁ、仁の性格じゃあ無理だよね。俺だって口では今みたいに言ってるけどさ、実際は分かんないし。』
「俺さ、一人になるとずっと考えるの。」
『ちゃんのこと?』
「そう。百面相してるのとか、一緒に行った街も海も、一緒に見た夜空とか・・・。」
『仁・・・そっか、溺愛してたしね・・・。』
「でもさ、いつかそういうの全部、と一緒で消えちゃうような気がしてさ。」
『それは仁次第でしょ。大丈夫じゃねぇの?仁が大事に、消えないようにしまっておけば。』
「おう。だよな。あ、サッカーのチケットあるんだけどいらねぇ?二枚。」
『ごめん。俺、その日仕事だし。』
「そっか、あ、お前これから仕事じゃね?」
『あ、もう、そんな時間か。じゃあな。』
「うん。さんきゅー。」
『借りね(笑)』
ピッ・・・
借りか・・・ちゃんといつか返さなきゃな。
あ、チケット、どうしよう。
燃やすとか?(笑)
○月×日火曜日 雨
彼女がいなくなっと一週間。
またいっぱい泣いた。
亀に借りができた。
―――――――――
いつのまにか週末。
なんで最近嫌な日に限って俺はオフなんだろ。
本当ならデートね約束してたから悪い日ではなかったはずなんだけどね。
それに、結局チケットは燃やせなかった。だからきっと二つの空席があるだろう。あ、俺との場所ね。
もうさ、仕方なかったことにして、これから悲しむのは辞めようと思う。あのとき引き留めなかったのは俺だから。
最近ってもここ二日くらいだけど、ずっと彼女の“さよなら”って言葉が何度も何度も脳裏にうかぶ。
俺はのこと忘れられないし、どこかで繋がっていたい。
だから小指のピンキーははずさないし、の“さよなら”もずっと覚えている。
あんま良くないけど、俺とは“さよなら”で繋がってるから。
もっと別の繋がりがほしいけど、贅沢は言えない。
もし、が僕を忘れても俺が覚えている限り繋がってんだから。
俺ってかなりプラス思考じゃね?(笑)
○月□日 土曜日 天気 曇
サッカーの試合を見に行かなかった。
でも、チケットは燃やせなかった。
ずっとと繋がっていたい。
―――――――――
また日が経った。
ベッドの温もりがわずかしかなくて、泣きそうになった。
「じーん。じーん。じーんっ!!」
「あ、亀・・・ごめん。」
「まぁた考えてたの?もう三週間だよ?」
「ん、だってさ・・・。」
「やっぱ好きなんだな。連絡入れたら?」
「無理。向こうはアドも番号も変えちゃった。」
「そっか、あ!仁、右!!」
「右?」
「早く!!」
「・・・。」
「あ・・・。」
左を向いたとき、視界にがいた。
亀は気を使ってくれたんだね。でもさ、見ちゃったし。
がいたんだ。知らない男と一緒に。
でもさ、隣に居る奴が羨ましくて、妬ましくて、そしてそいつの隣で微笑んでいるの顔が凄く大人びてて、泣きたいくらい切なかった。
「亀、帰ろっか。」
「つか、降ろしていいよ。早く帰りたいでしょ。てか、一人になりたいでしょ?」
「ごめん。」
「ありがとうだろ?じゃあな。」
「あぁ。また借り作った。」
「倍でよろしく☆」
亀と別れたあと涙が止まらなくなった。
―――――――――
家に着いた。
ベッドにダイブして泣いた。
目を閉じればが俺のことを求めるように呼んでて、側にいるように感じられるのに・・・。
と過ごした毎日が消えていく気がして、どんどん泣けてきて・・・。
『じーん。仁!!コラ!帰ってきてから部屋に篭ってないの!!お客さん来たわよ。』
「・・・。」
『無視しないの!女の子よ。』
以外いらない。以外・・・。
「兄貴、母さん来ないって怒ってる。あと、さんだけど本当にでなくていいの?」
「・・・?」
俺は急いで起き上がって弟を突き飛ばして部屋を出て下へ降りた。
「っ!?」
「あ、や、約束破って来ちゃった。和也くんに会って、仁が元気ないって聞いて・・・その、心配で・・・。」
亀、また借りができた。
つか、情けないけど涙が止まんない。
でもに見られんのが嫌でさ、抱き締めた。
「じ、仁!?どうしたの!?具合悪いの?え、泣いてるの?」
「、もう一度一緒にいて下さい。俺、がいないとやっぱ駄目。」
「うん。私も駄目だった。何度も電話しようと思ったし、今日来たのは私もそのことを言うためで・・・」
「大好き。」
ここが自宅でお袋と、弟がばっちり見てるってことをすっかり忘れてて、は気付いてた見たいで恥ずかしがってたけど離せなくて・・・。
これからはまた二人で歩き出せる。
見たことのない日々へ。
―――――――――
は仕事があるからと言って帰った。
ベッドにダイブしたら温もりが消えていた。
でも俺の腕に残るの感触。これは本物で、もうあの時のはいないけど、今度はもっと素敵なが側にいるから。
消えた過去よりこれからの未来へ。
○月△日 火曜日 天気 快晴
とよりを戻した。
俺はのことを誰よりも愛しています。
ずっと側にいて下さい。
〜BLUE TUESDAY〜 Happy end...。。。
アトガキと言う名のイイワケ
ご愛読(違っ!!)ありがとうございました。
とりあえずこの曲大好きです。
ただ、悲しい曲をハッピーエンドは無理があった(笑)
厳しかった(笑)
言い訳として、ブルーはとりあえず、空の色ってことにしておいてください。
個人的にお母さんと亀ちゃんを出したかったんです。
弟くんは好きじゃない(笑)
あ、主人公ちゃんの隣にいた男は同僚さんで、取引先から帰るところだったのです。
ようするに勝手な勘違い(笑)
可愛いったらありゃしない(笑)
ちなみに仁は、亀ちゃんに借りは返してません(笑)
駄目なこですからうちのアホ西くんは(笑)
では、次作をおたのしみに。
瀬陰暗鬼
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