一輪の花・・・物足りない。
大輪の花・・・正直ウザイ。
そういうものが欲しいんじゃない。
欲しいのは・・・
「阿部が愛をくれない?」
「どう思う?浜田。」
「多分、の愛が・・・」
「てめー殺されてぇみたいだな。」
「(口悪ッ!)なんでそうなるんだよ!?」
浜田は現在一個下の学年の昨年同じクラスだった奴。(つまり、浜田は留年した)
私が一年の階にいる理由になってくれている。(ってか、勝手に理由にしている)
「あ、先輩。ちわッス。」
「ああ、泉。いつ見ても可愛いね。どっかのだーれかさんとは大違いだ。」
「可愛いって言われても・・・嬉しくないッス。」
「いーじゃん、男の子!可愛いのが一番よ。」
「何スか、それ。」
「私も泉みたいな後輩が欲しいわ。」
「さんっ!!」
「ん?」
ドアがバーンって音を立てて、私の彼氏が登場した。
「あれ?どうしたの?」
確か彼は七組だったはずだ。(ここは九組)
「なんで、泉にくっついてるんスか・・・」
あ、少し機嫌が悪いな、こりゃ。
「隆也こそ、どうしたの?ここは九組ですよー。」
「三橋に聞いたんです!」
「・・・三橋くん、駄目じゃなーい。」
「うえっ!?ご、ごめんなさい・・・」
「はははー、可愛いね。君も。」
「俺は!?」
「田島も可愛いよー。」
「さん!!」
「何?」
ヤキモチをね、妬かせたいの。
だって、愛されてるって感じられるでしょう?
「、その辺にしとけよ・・・。阿部も妬く必要なんかないんだぜー。こいッフゴォッ!!!」
余計な事を言おうとした浜田に裏拳をくらわせた。
死んで・・・はいないと思う。
「さん・・・今日はミーティングだけなんス。一緒に帰りませんか?」
「んー?そんなのメールで言えばいいのに。」
「別にいいじゃないッスか・・・。」
「うん。いつものとこで待ってる。」
「あ、はい。」
隆也と野球部の子達が一年九組から出た後、浜田と少しだけ談笑してから私は、約束の場所へ向かった。
*
「ったく、いないじゃない。」
待っているっていう時間、行為。
私は大嫌いだ。
好きな人を待つって行為は何よりも嫌い。
「もー・・・何やってるのよ。」
カサリと物陰から音がして、私はそちらへ向かった。
そこには隆也と女の子がいた。
「あのっ・・・阿部くん・・・私と、付き合ってもらえませんか!!!」
俗に言う、告白ってやつだ。
隆也は無愛想で、優しくない奴だ。
でも、流石に、野球部のキャッチャーで、バッティングも悪くはなくて、それで副主将だ。
前半の部分を差し引いてももてないわけがない。
今回の相手は可愛い女の子。
勇気を出して、顔を赤くして・・・
でもね・・・
「隆也。」
渡したくない。
この子は私のだから。
「隆也、遅い。」
「あ、すんません!」
「あの・・・」
「ごめんなさいね。彼、私のだから。」
渡せない。
「う、あっ・・・ごめんなさいっ・・・」
女の子は去っていった。
残ったのは変な空気。
「何よ。」
「いや・・・嬉しかったッス。」
「それはよかったですね。」
「はい。あ、さん・・・寄り道して帰りませんか?」
「カフェでは隆也の奢りだからね。」
「はい!」
少し恥ずかしくなって、すたすた先を歩いていたら大好きです。と聞こえて、振り返って、ばーか。と言ってやった。
あとがき。
何がプレゼントかって言いますと・・・大好きって言葉だよって言いたかったんです。
えぇ、可愛くねー主人公です。
そして、文章ありきたりすぎる・・・。(汗)
こんな年上にたじたじな隆也が大好きです。
瀬陰暗鬼