私は教室で泣いていた。
空は快晴なのに・・・。
"彼が死んだ。”
私にはその現実を受け止められなくて・・・
でも家に帰れば泣けない現状。
誰にも心配かけられないから。
だからって教室で泣くのは反則かなあ?
「なーにしてんの?」
背後から声。
振り向いたら泣いてるのがばれてしまう。
それは嫌だ・・・。
「さんだよね?最近女子が噂してる子。そして男子に注目されてるんですよ?君。」
何だコイツ、そう思った。
そりゃ、こいつの言うとおり、女子は可哀想って噂をしているし、男子は・・・知らない。
「無視?いい度胸だね?俺の事無視しちゃ駄目なんだけど。」
うざい。
「ねー、さーん。」
「うるさい!どっかいって!!同情とか迷惑なの!!!大丈夫とか、そんな言葉要らない。一人にして。」
振り向いたら多分同じクラスの赤西君だった。
「やーっとこっち向いた。俺のこと知ってるよね?後ろの席なんだけど。」
それは知らなかった。
目立つから名前は知ってた。
「泣いてたの?一人で泣いてたらむなしくない?」
泣いていたのばれた。
そりゃ・・・結構目、赤いもんね・・・。
「知ってた?ちゃんの彼氏さ、俺の友達だったの。小学校からの。」
始めて知った。
紹介とかしてくれなかったし。
ってか、いつの間にちゃん付けになったの・・・?
「んでもって、俺のライバルでした!」
ライバル?
「高校の入学式、ある女の子に2人して一目惚れ。そしてアイツはその子に即行告白。OKもらってすごい浮かれてた。」
・・・私のこと・・・?
「でも、交通事故で他界。彼女は教室で泣いています。
さて、ここで問題!一目惚れしたのに何も行動できず、ずーっと思い続けていた男はその現場にいます。
どうしたらいいでしょう?」
・・・私が泣いていること知ってたんだ・・・。
だから声をかけてくれたんだ・・・。
「あいつをさ、忘れるとかいわねぇよ?でも、泣かないで。少しは話してよ。頼ってよ。
あいつも、俺も、ちゃんの笑顔に惚れたの。だからさ、笑って。」
―ねぇ、ちょっと甘えてもいい?
―ちょっとだけ・・・この人に甘えてもいい?
―ごめんね・・・。
「っ・・・忘れさせて。」
にやりと笑った彼を見て私は失敗したなあと思った。
「が笑ってくれるならなんでもする。」
今、私の心は雨空。
でもそのうちきっと青空になるよね。
雨の後には必ず晴れる。
雨のち晴。
きっとそうだよね。
ばいばい。
そしてよろしくね。
063.青空雨空
―今度一緒にお墓参り行こうね。
―えー、めんど・・・。
end
あとがき
えっと・・・Happy end。ってわけで。
結構気に入ってます。
こういうの結構好きですね。
かといって、たくさん書くかって言われたらそうでもない(笑)
まあ、楽しんでいただければ幸いです。
では。
瀬陰暗鬼