057.小さい頃は
隣に住んでいる中学生。
小学校の頃は準太お兄ちゃんと笑顔で後をついてきたのを覚えている。
準太お兄ちゃんが、準太くんになったのはいつのことだったか・・・
「準太くーん、今帰りなの?」
二階の部屋(多分自室)から顔を出して手を振っていた。
昔から変わらない笑顔。
「落ちっぞ?」
「お、落ちないよっ!!」
準太くんのバカーと叫ぶ。
近所迷惑だっつの。
「あ、忘れてた!今日おじさんとおばさんねー、夜いないんだって。」
「は!?チビは?」
「んー、友達の家に行くって言ってたよ。準太くんは家でご飯だってさー。パパもママもいないから私が作るよ。」
怖っ!と冗談で言ったら簡単なものくらい作れるんだよー!!!って自慢げに言われた。
でも、怖いもんは怖い。
だけど、これを言ったら拗ねるよな・・・。
「ちょーっと待っててね!すぐ作るから!!!」
そう言ってから20分。(ついついナイター中継を見てしまった。)
「できたよ!オムライスでーす!!」
ジャーンって効果音付きで現れたのはオムライス。
おいしそうな匂いがするから、きっと食べれるものなんだろうな。
ただ・・・
「これは何?」
オムライスに旗が刺さっていた。
「へへっ、かわいーでしょ。」
「・・・バーカ。」
「酷いっ!」
文句いう人は食べなくていいですーって怒っていたのに、一口食べて美味いと告げると、コロッと態度がかわっても食べ始めた。
「ん、我ながら上出来。」
「顔についてる。」
頬についたケチャップをペロリ。
「ちょっ・・・何するのっ!?」
「いーじゃん。」
「よくないよぉっ!準太くんの馬鹿っ!!」
何故か寂しくなった。
「がお兄ちゃんって言わなくなったのっていつだったっけ?」
「え・・・覚えてないよ。」
「すっげー寂しかった気ィする。」
そうだ、あの時も今みたいに寂しくなったんだ。
「お兄ちゃんからくんにかえた理由、教えてあげよっか。」
「知りたい。」
仕方ないなぁ・・・と言いながらオロオロしはじめた。
「どうかした?」
「・・・お、お兄ちゃんじゃ、恋人になれない、で、しょっ!!」
そう言った後、いい逃げをするように顔を伏せた。
「。」
「むー・・・。」
「。」
顔を上げた瞬間軽くキスをして。
「じゅ、んたく・・・」
「俺は、小さい頃からずっとひよこみたいに後ろについてくるが好きだったんだよ。」
わーん、準太くん大好きーっ!と言って抱きついてきたの頭を撫でて。
あの頃と同じく自分より小さい体をギュッと抱きしめた。
「大きくなったら準太くんのお嫁さんにしてください。」
「考えとく。」
「なんでっ!?」
うそ、冗談。
俺はあの時の約束を忘れてないよ。
―私、準太お兄ちゃんのお嫁さんになる!!
―そのかわりおいしい料理が作れるようになること!
―はい!!
end。
あとがき
これ、めちゃくちゃ難産でした。
スランプだあ・・・。
これの下書きを書いているときもスランプで、現在打ち込んでるときもスランプ・・・。
アップのときもスランプの予感☆
ってか、幸せな夢って幸せなときにしかかけないんだと思う。
ストレスが溜まってるときとかネガティブのときは無理ー・・・。
瀬陰暗鬼。