ドキドキしながら、ゆっくりと右足を乗せ、左足もその隣に。
今日は何キロだ、ろ…う…?
「…嘘、太ってる…?」
体重計の数値がおかしい。増えてるどころの話じゃない。
なんだこれ、昨日の2倍とか…ええええええ!!!!
というか体重計の数値がいつまでたっても定まらない。
最近体重が気になりだしたので甘いものは控えていたのに。
体重計壊れちゃったのかな…。毎日乗ってたし。
気を取り直してもう一度量り直してみようと体重計から片足を下ろそうとしたら、こつん、と何かに当たった。
腰に回された腕と、頭の上の重み。そして声。
(大体誰かは見当が付くのです。)
「〜。構ってー。」
「…貴方でしたか…団長。とりあえず離してください。」
「どうして?」
可愛く言っても引き下がりませんよ。
「どうして、と言われましても。ここは私の部屋で…あれ、鍵掛けたと思ったんだけど…。どうしてだろう。」
「ったら鍵開けっ放しだったよ。無防備すぎるネ。」
油断してると襲われちゃうぞ!
そして急に腕に力が込められた。(内臓出る、出ちゃうよ)
「だ、だからって勝手に入らないでくださいよ…!」
精一杯の力で対抗するも、さすがは第七師団長。勝てません。
「いいじゃないか。俺との仲だし、ね?」
なっ何が「ね?」だァァァァァ!!
(とりあえず正確な体重量ってお風呂に入らせてください!)
「だんちょっ…苦し…。」
「ん?ああ、ごめんごめん。」
とりあえず拘束から逃れることはできたけど。
なんでこの人私の部屋から出ようとしないのですか。
「。」
「はい。」
「俺もそろっと我慢の限界なんだよね。」
「…は?」
一歩、また一歩と近寄られると反射的一歩ずつ下がる私は後ろに追いやられる。
(…しまった…壁…!)
「捕まえた。」
満面の笑みを目の前に、私は只冷や汗をかくしかなかった。
「ということで、俺と…」
「嫌です!阿伏兎さァァァァァァァん!!!!!!」
「残念、阿伏兎なら任務でいないよ。」
「そ、そんな…!!(それを狙ってきたのかコイツは)」

「え、もしかして初めて?嬉しいなあ。」
「ふざけんなァァァァ!一回妹さんにボコボコにされてしまえ!!!!」
やばい。一瞬目がマジになった。
「そんな事言っちゃう子はお仕置きだね。」
「前言撤回します許してください神様仏様神威様ー!」
fin.(2009.11.04)
→ちゃんもきっと団長が、好き!なはず。神威はなんだかギャグ要員な気が…してきたぞ…。