きっと、、今度は幸せになれるよ。
051.新しい
「ね、紅麗。人里に下りなくていいの?ここにいても何も無いよ?」
「そうだな。」
『イヤーッ!!!!』
紅麗と2人であるいていたら女の子の悲鳴が聞こえてきた。
「紅麗!あれ!!」
俺より年上、紅麗より年下の16歳くらいの女の人。
って、見ていないうちに紅麗ったら手裏剣をぽぽーんって。
かっこいいなあ。
「お姉ちゃん、大丈夫?」
「っ・・・あ、ありがとう。」
可愛いお姉ちゃんだ。
「お礼は俺じゃなくて、こっちに言って!」
「こっち・・・?」
「うん。紅麗って言うんだ。あ、俺は薫。」
「私はです。えっと・・・紅麗さん。助けてくださり、ありがとうございました。」
「お前は何故このようなところに・・・」
お姉ちゃんはすごく悲しそうな顔をした。
「私、本能寺より逃げて参ったのです。尾張の殿の女房をしておりました。」
尾張って・・・織田信長だ。
紅麗・・・。
「火影と言う忍軍をご存知でしょうか?
明智殿も酷いことをなさります・・・秘密を知ってるものも全て殺そうとなされた・・・。
殿だけでない・・・女房まで・・・。」
なんか、話の方向性が変だ。
紅麗の表情もおかしい。
「火影を討ったのは誰だ。」
「え・・・あ、明智殿でございます。
世間では織田殿が討ちなさった事になっておりますが、本来、織田殿に偽りを吹き込んだのも全て、明智殿でございます。」
真実・・・誰も語らなかった真実・・・。
今のを紅麗はどう思ったんだろう。
今まで、ずっと、織田を怨んでたはずなのに・・・。
「あの・・・私もいっしょに下山しても宜しいでしょうか?明智殿に追われているのです。」
このお姉ちゃんは、紅麗が信長を殺したって知ったらどう思うのかなあ・・・。
「紅麗?」
「薫、先に下山していろ。すぐ行く。」
「あ、うん。」
紅麗・・・お姉ちゃんをどうするつもりかなあ・・・。
ま、大丈夫だよね♪
「だったか・・・。」
「はい。」
「一緒に来るのは勝手にするがいい。面倒は見るつもりは無い。」
「私、女房をやっておりましたので、料理は出来ます。」
「・・・・・。」
「何処かおかしいでしょうか?」
「・・・いや、おかしなやつだと思っただけだ。」
「私、おかしいでしょうか・・・?」
「(少し紅に雰囲気が似ているのか・・・)知り合いに良く似ていた。」
「そうなのですか?よくわからないですけれど、宜しくお願いいたしますわ。」
おっそいなー・・・って思って、見に戻ったら姉ちゃんも、紅麗も笑ってる。
きっと、紅麗、恋したな♪
応援してあげよーっと。
もう、邪魔するやつも、奪っていくやつもいない。
新しい生活。
今度は絶対幸せになれるよ!!!
end.
あとがき。
紅麗です。
大好きだ今畜生。
僕は明智が嫌いなんで。(えへ。
瀬陰暗鬼