「はーやとっ!!」

「んー?」

「ねぇ、私が死んだらどうする?」





俺の可愛い可愛い彼女がいきなりこんなことを聞いてきた。





「なんで?」





どうせ冗談だって思いながら聞き返した。





「んー、隼人の愛を確かめようと思って。」

「俺の愛は海より深い!」

「あははー、隼人らしい!!」





このあと家に帰っての言ってたことを考えてみた。



もし、死んだら・・・か。


考えたこともなかった。
そんなの考える必要ないしな。


あいつはどうしてんなこと聞いたんだ?

なんて答えて欲しかったんだ?


ま、考えるのは苦手だし明日聞くかな。



そういやあ、今日、また明日って言ったあとなんか元気なかったな・・・、珍しい。

もうひとつ珍しいといえば今日、自分からキスしてきたしな・・・。



よし、気になるから明日全部聞こう。

また、明日。





でも、明日は来なかった。










*








「はよーっす。」

「隼人!?」

「なんでいるの!?」

「は?」

「隼人に竜、連絡しなかったの!?」

「だから、何?」

ちゃんがいなくなったって・・・。」





背筋が凍った。



教室を飛び出した。



誰の声も、何の音も聞こえなかった。










*








「竜!」





は、はどこだ!と竜の家のチャイムを鳴らして竜を呼んだ。





「隼人・・・。」

「なんで俺にだけ連絡しなかった!なんでっ!!」





竜への怒りが真っ先に出た。

竜は落ち着けと言って組かかってた俺を突き放した。





はもういない。」





その言葉が信じられなくてもう一度聞いたが同じ台詞しか帰ってこなかった。





「どういうことだよ。」

「昨日、死んだ。」





死んだ?

なんで?


あいつが・・・なんで・・・





「なんで・・・?」

「張り詰めてたもんが切れたんだと。」





わけわかんねぇ。

あいつ、昨日楽しそうに笑ってた。



なんで・・・

なんで・・・

なんで俺は気付かなかったのだろう。

あのとき、また明日って言ったあと悲しそうな顔をしたことを気付いていてどうして声をかけてやらなかったんだろう。





がここを昨日出て行く前にお前には連絡しないでくれって言ったんだ。」





どういうことだ?





「伝言だ。」





そう言って竜が書いたであろうメモを渡された。



そこにはこう書いてあった。





“隼人、泣かないで。

そして、ごめんね。

私はどこかで隼人に止めて欲しかったんだ。感づいて欲しかったんだ。

でも、それは私の勝手だったね。





隼人は私のことを忘れて、ずっとずっと生きてね。”





「自殺かよ・・・。」

「あぁ。」










039.馬鹿野郎。











失ってからお前の大切さに気付く俺も大馬鹿野郎だけどな。



あとがき。

馬鹿野郎といったら隼人でしょう!と思って書いた隼人夢。(ぇ
いや、馬鹿野郎=隼人と思った方、いますか?(ぇ
最初はそのつもりで書いていたんですが・・・
ちょっと、思考を変えてみようと思って。
話は思いっきりシリアスですけど。
あ、主人公は竜の妹です。

瀬陰暗鬼。