恋愛が数学みたいに簡単だったらいいのにね。




















「榛名くん・・・先生が課題出てないって怒ってたよ。」

「あー!!忘れてた!!!」

「あの・・・今日中に出さなかったら放課後にみっちり補習だって・・・。」

「え、まじ!?」

「う、うん・・・」





同じクラスの榛名元希くん。
野球部で投手をやってるんだって。(私はよく知らないけど。)





さん。」

「は、はいっ・・・」

「課題、ある?」

「こ、これから出しに行くの。」





ここ数日間風邪で学校を休んでいたため、課題の提出は今日になってしまった。
さっき、先生とすれ違ったときに提出しろと言われ、ついでに榛名くんにも補習のことも含め、言っておいてほしいと言われた。





「あのさ・・・見せてくんない?」

「え、でも・・・これ、出さないと・・・」





怒られるのはごめんだ。(私はちゃんとやってあるわけだし。)





「俺が出しとくから!お願いします!!」

「でも、これは自分で提出しないと・・・」





うちの学校は生徒いじめだと思う。
だって、課題帳の答えを配布してくれないのだ。
まあ、答えを写すやつがいるからだけど・・・。

それよりも、私は榛名くんとはあまり・・・というか、ほとんど話したことがない。
というか、ちゃんと会話してるのは今日が初めてなんじゃないかと思う。


はっきり言って、苦手。いや、怖い。





「部活・・・」





よっぽど部活(というか、野球?)が好きなのか、補習は嫌みたいだ。
彼のよくはない(むしろ悪い)と聞く頭じゃ、今日中に全部解くなんて、無理だろう。



駄目?と仔犬のような目。
目だけで、体は大きいから大型犬みたいだ。
私、大型犬は苦手なんだけどな・・・。





「最初のほうはやってあんの!!でも、最後のベクトルってやつ?あれやってねぇの!!証明とかわけわかんねーし、お願いっ!助けて!!!」





ここまで頼まれると嫌って言えない。





「あってるか、わからないからね。」

「いーのっ!?」

「うん・・・部活、したいんでしょ・・・?私、早く帰りたいから急いでね。」

「ありがとっ!いーやつだな!!!」





シシッと歯を見せて笑った。

ちょっと、ドキッとした。
笑った榛名くんが、少しかっこよかったから・・・。





さん、風邪、もー大丈夫?」





吃驚した。

私のことなんか興味ないだろう彼が大丈夫?だなんて言うから。
それよりも、さっき、名前を知っていたことにも驚いていたのに・・・。





さーん?」

「あ、うん。大丈夫です・・・。」

「風邪、引きやすいの?」

「扁桃腺をすぐ、腫らしちゃって。」

「へんとーせん?」

「うん。」





多分、彼は扁桃腺なんて知らないと思う。





「しゃべってないで、早く写したほうがいいよ。」

「あ、そうだった!」










*








次の日、私はまた風邪をぶり返した。

40度近くの熱が出たので流石に、学校には行けず、仕方がなく欠席した。(あまり欠席したくないのに)
きっと、昨日遅くに帰ったせいだ。
いや、18:00は遅くないか・・・?
でも、寒かったし、遅かったんだ。



今は、20:00。

体調も悪くないし、熱も下がった。
明日からまた、学校に行けそうだ。





、友達が遅くに来てくれたわよ。部屋にお通しするわね。」





友達?
こんな遅くに、危なくないのか?

誰だろ・・・


私の友達にアポなしでこんな遅くにわざわざ来る人がいたっけ?





カチャ・・・





現れたのは意外な人物。





「榛名くん!?」

「これ、お見舞い。」

「あ、ありがと・・・。」





コンビニの袋に入ったゼリーを一つ、渡された。





「昨日、帰り遅くなっちゃったせいかと思って・・・(早く帰りたがってたし。)」





自分のせいだと思って来てくれたのか・・・わざわざ・・・。
よく、うちの住所、知ってたなあ。





「先公、誰も教えてくんねーから苦戦したの!」





何か・・・昨日も少し思ったけど、怖くない・・・かも。





「誰から聞いたの?」

「クラスの女子!でさー、聞いたらなんで知りたいのー?とか、うっぜぇし!!あ、あと、これノート。」





課題のノートが綺麗だったから授業のノートもあるだろうと思ってと言われた。





「ありがと・・・」

「いつもはどーしてんの?」

「借りてるよ。三日分くらい溜まってるから写すの大変で。」

「そっか。」





ぱらぱらとノートをめくる。

ノートが新品みたいだったからもしやと思ったが、今日の授業の内容らしきものが一ページ目から教科がまぜこぜに書かれていた。





「榛名くん、普段ノートとらないでしょ。」

「え、なんでわかんの!?」

「わかるよ。一ページ目から今日の内容だし、黒一色。それに、黒板丸写しなんだね。」

「うっせー。中1まではとってたんだよ。」





中2以降はとってないのか・・・。





「榛名くん、ありがとう。」

「初めて、笑った顔見た!」





そう言って、ニカッと笑った。





さんさ、俺のこと怖がってたでしょ?」





はい、その通りです。





「俺さ、昨年さんに一目ぼれしてんの、知ってる?」





知らなかった。
自分が、他人からどう思われてるかなんて、興味なかったし。

聞くと、秋丸くんと話してるときに見られてたらしい。





「恋愛ってさ、難しーよな!声かけるきっかけ探したりしてさー。」





数学と同じくらい難しーって彼は言った。
私にとっては数学より、はるかに難しいよ。





「って、わけで、俺と付き合ってください。」

「あの・・・友達からで!」





一次方程式から始まる数学の方程式。
そこから始めるみたいに恋愛もそこからはじめよう。



ベタな私たちにはちょうどいい。










end。


あとがき。

榛名は馬鹿だと思います。
はい。
大馬鹿者だと思ってます。
主人公は垂れ目だといい。(アホ。
いや、垂れ目設定なんだけどねぇ。
絵も描いてあるけど・・・女装した隆也みたいになってる・・・。(ははは。
髪の毛は長いよー!!!(誤魔化し
女の子は描いてて楽しいです。
可愛い女の子は好きですかー?(大好きです。
榛名は可愛い子のほうが好きだろうなあ・・・と思います。
ってか、準太と榛名って好きなタイプ一緒そう・・・。
ただ、榛名は活発で、準太は文化部系っぽいけどねー。
って、榛名夢のあとがきなのに、準太をだしてしまった!!(愛故。

瀬陰暗鬼。