僕は少女を拾った。
「骸さん、そいつ何れすか?」
「拾いました。」
「死んでるんれすか?」
「生きてます。」
千種に彼女に似合う服を用意させた。
黒く、レースがたくさんついている服。
金色の髪を結った。
ふわふわな髪が指に絡みついた。
*
「ん・・・」
少女が目覚めた。
「あなたは誰・・・ここはどこ・・・私は・・・」
私は・・・と彼女が言ったあと、彼女の表情が変わった。
「イヤアァァッ!!!」
頭を抱えて叫びだした。
「やめてっ・・・イヤッ・・・もう・・・やめっ・・・ごめんなさいっ・・・逃げて、ごめんなさっ・・・」
真っ青の瞳が恐怖に染まっていた。
「ここは怖いところではありません。あなたのことを教えてください。」
抱きしめて、そっと聞いた。
「私っ・・・わたっ・・・私っ・・・」
まだ落ち着かぬ彼女に口付けた。
「ふっ・・・ふあっ・・・んっ・・・」
泣き声から色気のある声に変わった。
「落ち着きましたか?」
こくりと頷いた。
「あなたのことを教えてください。」
「私は・・・。」
名はあるらしい。
「僕は骸です。何故あなたは倒れていたのです?」
「・・・逃げ出したの。」
かたかたと小さく震えながら少女は答える。
「マ、マフィアの世界は暗くて汚いのよ・・・。」
知ってる。
自分達だって経験した。
「私は、その世界で売られていたわ・・・。人間競売。」
彼女もまた、マフィアの強欲さ故の被害者。
「辱められた。嫌がる私に何度も・・・そして飽きたら売る・・・」
感情を捨てて無心になったこともあったそうだ。
しかし、主はそれを許さなかった。
泣き叫ぶのを犯すのがよいと・・・行為はだんだんとエスカレートした。
しかし、傷はつけなかった。
でも・・・もう、耐えられなくなり、逃げた。
主が眠りに落ちた隙をつき、逃げたそうだ。
「私・・・食事を摂るのが苦手なの。」
食べないからと無視する主もいたが、点滴や注射を打つ主もいたそうだ。
「何で、何で・・・私を助けたの・・・?私、そのままなら、死ねたのに・・・」
「いいえ、死ぬことは出来ない。」
高い金を叩いて買った女をみすみす逃がすわけがない。
「きっと、今もあなたを捜している。」
「・・・殺して・・・。」
死にたい。
もう、嫌なんだ。
だから殺して。
そう彼女は願った。
消えそうな声で、彼女は啼く。
ガッシャーン!!
「おや、来てしまったようです。」
小さく震えだしたのがわかった。
「。あなたは今、ここで死にました。」
「え?」
「あなたはそして生まれた。僕の可愛い可愛い小鳥として。」
あなたはこれから僕のためだけに啼き続けてください。そう言った。
彼女はありがとうと小さく呟いた。
*
「骸さーん、食べていーれすかあ!?」
「犬、ちょっと待ってください。」
幻影で映したは彼女の骸。
このものらの中でも彼女は死んだ。
「犬、千種、あとは任せました。」
「はぁーい♪」
*
「む・・・くろっ・・・」
「、。君は僕のものです。永遠に僕のもとに。」
「骸・・・。キスして・・・骸のキス、気持ちいい。」
「いくらでも。」
僕はこの少女を手に入れた。
二度とこの子は世界を見ることはない。
この子が見るのは僕だけでいい。
この青い目に映すのは僕の姿だけでいい。
一生、僕の闇の中に。
「愛してます、。」
歪んだ愛を一滴。
+++++++++++
「骸・・・。」
「、食事だよ。」
「ねぇ、骸はどこ・・・?」
「今はいない。」
「千種・・・ここから出して。骸に会いたい。骸に。」
「駄目・・・。」
「・・・あなたは誰・・・?」
「クローム髑髏。」
「あなたじゃ駄目。骸に会いたい・・・。」
031.鳥籠の中に
―あの時、あなたを殺しておけばよかった。
後書。
とりあえず、なんだこれ。
でも、気に入ってたりします。
歪んだ愛上等。
綺麗な話が書きたかったんです。(どこが!?なんて突っ込みはいらないです!)
色っぽくなったかな?(ぇ
ちなみに黒耀編後、主人公ちゃんは雲雀さんに保護されてるなんて裏設定があったりなかったり・・・。
ちなみに保護機関は基本睡眠薬で眠っていて、目隠しをしていてたんだと思われます。
病院の一室で!(膨らむ妄想。)
でもって、犬ちゃんたちが解放されて保護を受けたことを報告受けたリボーンがこっそり、黒耀に主人公ちゃんを渡したんだよ!なんて設定だったりします。
瀬陰暗鬼。