今思えば、私の高校生活はこいつのせいで灰色になったんだ。
005.嗚呼、青春
「錦戸、かくまって。」
「女の子やったらええで。」
「いや、内。」
「なら嫌。」
「この際、1日でいいから平穏な日を送りたいわ。」
「無理やな。」
「もし、あんたが協力してくれたらあんたのお遊びに付き合ってもいいけど?」
「何回?」
「1日に付き1回」
「とりあえず、図書館でヤりたいんやけど?」
「いいですとも。SMでも何でも付き合ってあげる。」
「交渉成立やな。」
私は安全な生活のために悪魔に体を売ります。
「そんなことしちゃあ、あかんでーっ!!」
「出た。来た。錦戸、何とかして。」
「図書室やで?」
「いいですとも。1回くらい。」
私も腐ったなあ。
錦戸亮は・・・悪友で、私の処女を奪った悪魔。(一年前付き合ってましたともさ。)
でも、昔から錦戸亮は人気があるにもかかわらず、彼女を私のとき以来作ってない。
本人曰く、「遊びの方が楽やから。」だそうで。
結構、私が元彼女ってことを知って嫉妬から虐めに発展させる人がいたけど、錦戸の一言で散った。
でも、私はまた同じ目にあっている。
しかも、今回のは理不尽!!原因はコイツ、内博貴。
「なんで亮ちゃんの後ろにおるの?ちゃん!!」
「内、こいつんことは諦めろや。」
「なんでー?僕、一目惚れやねんで!!」
「より戻すことにした。」
え、いつ決まったの!?
嘘・・・私、戻すつもりはないよ!!
「錦戸・・・何言ってるのよ!!」
「ええから黙っとき。」
ヤバイ・・・錦戸カッコイイ。
「ちゃん!何、亮ちゃんにときめいとるん?893やで!エエ人の皮を被った893やで!!」
「知ってるわよ!でも、あんたよりましじゃ、ボケ!!」
「ちゃんに亮ちゃんの893ウイルスが侵食しとるーっ!!」
「内、それ以上893言うたら一生使いもんにならんようしてやるわ。」
「ちゃんを?」
「え、私!?」
「ホモじゃあるまいし、以外おらんやろ。」
一部の女子からのホモ説は伏せておこう。
「内、お前がはっきりせんから、がメッサ迷惑しとるやろ?」
「女の子達やろ?やって、彼女やないのが駄目やねんって。」
「ベタベタすんなや。」
「やって、好きなんやもん。」
「ベタベタってのは両思いのやつらがするもんやで。」
「亮ちゃんやって、やってるやん。」
「SEXだけや。ベタベタはしとらん。」
錦戸さん、納得がいくように説明してください。
「ちゃんは僕のこと嫌いなん?」
ウルウルしてるよ・・・コイツ。
でもこのままくじけたら私の青春の高校生活は終わり。
でも、嫌いではない・・・・でもくじけたら終わりなの!!
「嫌い・・・?」
嫌いって聴くやつはずるい。
でも・・・
「嫌いじゃないよ。」
って言っちゃうんだ。
そしたら泣きそうになってた顔が明るくなって、手を引かれた。
「内!?ちょっと!離しなさいって!!」
引っ張られてきたのは放送室。
「ちょお、待ってて。全部終わらせるから。」
文句を言わせない。そんな目だった。
ピンポンパンポーン
『あーあー。どーも、内博貴です!!』
アホだ、アホの子だ。
でも、廊下から女の子の黄色い声。うざい。
『2-Cのちゃんはこのたび僕の彼女になりました!!』
は!?何言ってんの!?
「ちょっと!内!!」
『僕のなので手を出さんといてな☆特に男!!亮ちゃんとか、横山君とか、すばる君!!
もし、手を出した時は、おっそろしいで☆僕のFANの皆さんも、虐めとかやめてな。以上、幸せいっぱいの内でしたあv』
ブツン・・・・
「どういうつもり?」
「やって、好きやんな?」
「嫌いじゃないって言っただけ。」
何都合よくとってるのよ!!って怒るとにへらって笑って。
そのあと、キッと顔を作って。
「僕はが、のことが好きです。」
とくんと音を立てた心臓。
もう駄目だと思った。
キッと内FANの嫌がらせに耐えていられたのも、毎日寄って来る内を大嫌いにならなかったのも、全部、全部・・・この気持ちのせい。
私の高校生活はきっとこれからも灰色で、そしてほんのりピンクに染まるんだ。
こいつのいるところだけ有彩色で、あとは灰色無彩色。
無彩色の世界でコイツへの思いだけが色づくと思うと気に入らないけど・・・・
「いいよ。付き合ってあげても。」
まだ捻くれているのは私らしさってことで。
嗚呼、私の青春・・・コイツの色に染まっていく・・・。
あとがき。
お題夢です。一号です。(一番最初に書いたの意)
お題ばんざーい!!久々!!
あんま書かないですけど、こういうのはいいかなあって。
どっくんと主人公ちゃんの会話はいかがわしいですね☆
あっははー♪
まあ、書いてて楽しいですよ。
瀬陰暗鬼