※ほとんど会話文※




「マツバさーん。」

「やあちゃん。」

「…と、突然ですけど明日って暇ですか?」

「え、明日?」

「はい!明日です。」

「特に何も無いけれど。」

「わあ本当ですか!」

「本当ですよ。」

「あのですね、明日お買い物に付き合ってくれませんか。」

「僕が?」

「はい。お祭りも近いので浴衣を買いたいのです。」

「去年着てた黄色のはどうしたの?」

「(お、覚えててくれてる…!)あの浴衣2つ下の従姉妹に貸したまま返ってこないんです…。」

「あらら。」

「だから今年は奮発して買おうかなと思ってるんですよ。でもあたし優柔不断だから…。」

「それで僕に一緒に来てほしいんだね?」

「はい!…明日って何時から大丈夫ですか?」

「明日はジムも休みだし、他の予定も入っていないからちゃんに合わせるよ。」

「それじゃ、午後からでも良いですか?」

「大丈夫。…そうだ、一緒にお昼ご飯食べてから浴衣買いに行こうか。」

「え、良いんですか!」

「もちろん。」

「そ、それじゃあお昼一緒にさせてください…。」


『ゲンガー!』


「なんだいゲンガー…わ、ちょっと引っ張るなって!」

「ゲンガーこんばんはー。」


『ゲンガ!』


「だから待ってくれって……え、ミナキが来た?分かった分かったから!……そ、それじゃあちゃん、また明日。」

「はい!それじゃあ明日よろしくお願いします。ゲンガーもまたね。」


(まさか去年の浴衣の色を覚えてたなんて。…どうしよ、余計に好きになる…。)





fin.(2010.08.05)
続きを書くかもしれない運転。恋する乙女のお話。